占星術コラム

京都ランチ会終了!死=天界への帰還のときのチャートを生み出すための占星術

高橋ともえ

昨日9/10は京都でランチ会でした! 2019年の京都セミナーに来てくださった方が、遠方からお越しくださったり、YouTubeを見てくれた方が来てくださったり、東京ランチ会に来てくださった方がまたお越しくださったりと、本当にありがたいご縁に恵まれて楽しくランチをいただきました。

話は多岐にわたりましたが、その中でも「死のチャート」(死ぬときのチャート)の話をしたところ、色々反応がありおもしろかったです。

占星術は一枚岩ではなく、流派によって、また、どういう世界観とスタンスで扱うかによって、星の解釈は異なります。

たとえば、インド占星術ではカルマを見るために占星術を使いますが、インド的なカルマというのは、人を地上に縛り付けるものであり、どちらかというと良くないもの、解消すべきものとされます。だから、インド占星術では、いかに輪廻転生から解脱してこの世界から離れるかという目的で解釈していきます。過去に作った凶のカルマを和らげて吉を増やす、みたいな感じの処方やアドバイスが中心になります。

しかしこういったインド占星術的な発想では、なぜ地球は存在しているのか、なぜ宇宙は進化していくのか、一見ネガティブな「霊的な世界の記憶とつながりが薄れ、地上が物質的になったこと(一見退化しているような歴史的変遷をたどったこと)」や、「ルシファーやアーリマンという悪がなぜ存在しているのか?」といった理由や背景への説明がなく、過去の(一見)完ぺきな秩序から人と地球が堕落したという堕落史観(ある種の過去への郷愁と嘆き)の中に巻き取られてしまうと思います。

まさにこれ(過去への郷愁や嘆き)が、私がインド占星術になじまなかった理由でもあります。つまり、インド占星術やインド的なカルマ論(そして小乗仏教的なカルマ論)は、人間が生きる舞台として世界(とその世界をささえるエレメンタルたちの供犠)の成り立ちという謎に明確に答えてくれないんですよね。

で、その「なぜ?」に答えるものとして、私はシュタイナーの考え方を採用しています。シュタイナーは、遠い過去から続く地球と宇宙の進化発展の歴史と、今を生きる私たちの時代がどういう時代かという理解と、未来に向けての指標を示してくれると思うからですね。

シュタイナーは、インド的な古い時代のカルマとは違って、キリスト以降(ゴルゴタの秘儀以降)、人と人とがこの地上で新しい未来を創り、地球と宇宙を進化させるためのつながり・きっかけとしてカルマを考えています。

その観点から言うと、今この時代(火星紀が終わり、水星紀になっている今)、この人生の最終目的は、単に自分の魂の救済やカルマ清算のためだけではなく、死ぬときのホロスコープを天界に向かって生み出し、地上での成果を地球と宇宙の進化のために捧げることなんですよね。

なぜなら、人間がこの地上で生きて、自分の内なる自然(持ち越してきたカルマや宿命)を変容させればさせるほど、その変容した部分が、個人的なことを超えて人類や地球、宇宙の集合的な未来を創っていくからです。

晩年シュタイナーがカルマ論は自分の活動にとってとても大切だと話していたことを、占星術的なタームで説明するならば、まさにこの死ぬときのホロスコープのエネルギー(アストラル界に刻印されるエネルギー)と、そこに乗る地上での生の成果として人の自我の中で変容した部分こそが、宇宙の未来を創る大切な材料になるからと言えるでしょう。

過去生の結果として持ち越してきた出生のホロスコープを生きるということは、その人生の最終結果であり来世につながっていく死のホロスコープを生涯をかけて育てることと同じ意味なのです。

そして、この営みは、その人個人の自己満足や救済だけではなく、森羅万象一切、悪なる存在すらも救済することにもつながっていくということですね。これはまさに大乗仏教の世界観そのもの。

リレーションシップ占星術の概要動画でお伝えしましたが、私たちが生きる水星紀において、メルクリウス(ヘルメス)は、一個人を天界へ導く神秘のガイドではなく、人を他者へと導くガイドになっています。

 

私たちが生きるということは、ただ私たち個人を超えて、地球と宇宙の進化にすらも影響を与えていくのだという理解があれば、そこに他者への敬意がおのずと生まれ、自暴自棄にならず自分の運命を受け入れる覚悟が生まれ、対話と平和が生まれるでしょう。

さもなければ、これからの時代、人間同士の関係性はもちろん、人間と地球との関係性に対しての、お仕着せではない内発的な倫理的衝動は生まれてこないと思います。

まあ、なんか壮大な話になりましたが(笑)、世の中にはたくさんの占星術の講座やセミナーがあって、自己啓発的なものから、ビジネスに活用するものまで色々切り口がありますが、私が提供する占星術のスタンスはこういうものですよ~と言う話でした。

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ABOUT ME
高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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