支配星(ルーラー)が支配する星座(サイン)に回帰することの意味~少数の者が担ってきた役割や影響を多くの人が担い受け取るとき
占星術で支配星(ルーラー)が自分の支配する星座(サイン)に滞在することを支配星回帰と言い、その天体の意味が強まると言われます。特に動きが遅い天体(木星以遠の天体)に関しては影響力が強いと言われています。
折しも2018年は、魚座海王星滞在、土星山羊座滞在に加え、木星射手座滞在が始まり、これらの大天体が自身が支配する星座に支配星回帰します。
この記事では、具体的に支配星が支配星座に滞在したり回帰することで起きてくることや意味について考察していきます。
この記事の目次
占星術の支配星(ルーラー)とは? 一般的な西洋占星術の支配星と星座(サイン)の組み合わせ一覧
まず、現在一般的に使われている現代西洋占星術の支配星(ルーラー)と星座(サイン)の対応表がこちらです。
- 牡羊座 火星
- 牡牛座 金星
- 双子座 水星
- 蟹座 月
- 獅子座 太陽
- 乙女座 水星
- 天秤座 金星
- 蠍座 冥王星
- 射手座 木星
- 山羊座 土星
- 水瓶座 天王星
- 魚座 海王星
ただし、蠍座、水瓶座、魚座については古典占星術(天王星以遠の天体を使わない占星術)では、それぞれ火星、土星、木星が割り当てられていたため、現在でもこれら3つの星座(サイン)については、「副支配星」として火星、土星、木星の影響を受けると考えることもあります。下の図で「( )」で囲われているのが副支配星です。
支配星が支配星座に滞在する場合の天体の意味と解釈は?~出生図・ネイタルチャートの場合
支配星(ルーラー)が支配星座(サイン)に滞在している状態は、最もその天体の影響が強まると考えられます。たとえば、牡羊座に火星が入っているときや、乙女座に水星が入っているとき、火星や水星の力は最も強力になります。
ここで「強力になる」とはどういう意味なのでしょうか?一般にその天体のパワーが増し、ホロスコープやチャートの中で際立った動きを見せ、ホロスコープやチャート全体の中で強い作用を見せる、と考えられます。
支配星が支配星座に滞在する場合の天体の意味と解釈は?~トランジット・マンデンの場合
では、個人のチャートではなく支配星が支配星座に滞在したり回帰する場合は、どのように解釈したら良いのでしょうか?
ここからは私個人の見解ですが、支配星が支配星座に滞在するときというのは、それまでは個人の出生図などでその天体や星座に関するエネルギーの恩恵や影響を一部の人が担ってきたのに対して、万人が広く等しくそのエネルギーの恩恵や影響を受けるようになるとき、と考えています。
たとえば、天王星が水瓶座に滞在していた時代(1996-2003年)、水瓶座が象徴する新時代の技術であるインターネットやIT技術が次々に生活の各分野に普及しはじめました。それまでのインターネットは、アカデミックな場所で知の伝達と共有のために使われていたものだったのが、この1996年~2003年の間に一般の人が使うものへと変貌しました。
同様に、海王星が魚座に滞在する時代(2012年~2025年)は、たとえば海王星が象徴する災害や天災が一部地域のものではなく全地球規模で起きてくる時代になると思われます。2011年の3.11はその予兆となるできごとで、3.11規模の災害は今後も様々な地域で次々に起きてくると思われます。また「国民総被災者状態」となることで、強者と弱者といった単純構造が崩れていくでしょう。
土星山羊座時代(2017年~2020年)は、権威や権力の世代交代がすすむと同時に、それまで国や社会のトップ、家長が担ってきたような責任を全国民・個人レベルでも求められるようになるでしょう。それぞれの持場でしっかり責任を果たすことが一層求められます。山羊座は現実化のサインなので、社会の中で役立つかどうか、どういう意味があるのかを厳しく求められます。また、土星が時間や時代を司る天体であることから、過去の歴史の書き換えもすすむでしょう。たとえば、最近震災の歴史を紐解いたり、明治維新が実は間違っていたのではないかと行った史観の本が出ていますが、こういった動きも山羊座に土星が入ったことと関係しています。
木星射手座時代(2018年~2019年)は、宇宙の真理に直接触れる人々が増え、発信者・伝達者となる「教師」の役割の人がいたるところで増えるでしょう。また、グローバル化や移民受け入れなどのテーマが浮上し、多くの人が海外を体験したり移住や移動を体験するでしょう。