月食と日食~占星術の定義・解釈・考え方と影響範囲・時間・期間について
1年のうちおよそ2回、約半年(6ヶ月)の間隔で繰り返される月食と日食(月蝕と日蝕)は、通常の満月や新月とは違う特別なものだと考えられています。この記事では、占星術が考える月食と日食の定義・解釈・考え方と、影響範囲・時間・期間について書いていきます。
この記事の目次
月食(月蝕)のときに何が起きている? 占星術・天文学の定義・説明
まず、月食のときに何が起きているのか? 占星術・天文学の定義と説明を書いていきます。
月食は、ドラゴンヘッドまたはドラゴンテイル(ノースノードとサウスノード)と呼ばれる黄道(太陽の通り道)と白道(月の通り道)の交点近くに(12.25度以内に)満月が来るときに起きる現象です。
ちなみに、ドラゴンヘッドとドラゴンテイルのサイン(星座)と月のサインが異なるケースもあり得ます。例:ドラゴンヘッドが水瓶座25度で月が魚座3度。ドラゴンヘッドとドラゴンテイルのサインではなく、あくまでもドラゴンヘッドまたはドラゴンテイルから前後12.25度以内で起きる満月かどうかが月食か否かを判断する基準になります。
月食では、月が地球の影に入り、太陽の光が届かなくなります。一般に月食のときは、ブラッドムーン(Blood Moon)と呼ばれるように血のように赤い月が見られます。
この赤い月は、地球の大気による光の屈折や散乱の影響を受けて月に届いた赤い光の一部です。
日食(日蝕)のときに何が起きているのか? 占星術・天文学の定義・説明
次に、日食のときに何が起きているのか? 占星術・天文学の定義・説明を書いていきます。
月食は、ドラゴンヘッドまたはドラゴンテイル(ノースノードとサウスノード)と呼ばれる黄道(太陽の通り道)と白道(月の通り道)の交点近くに(18.50度以内に)新月が来るときに起きる現象です。
ちなみに、ドラゴンヘッドとドラゴンテイルのサイン(星座)と新月のサインが異なるケースもあり得ます。例:ドラゴンヘッドが牡牛座10度で新月が牡羊座28度。ドラゴンヘッドとドラゴンテイルのサインではなく、あくまでもドラゴンヘッドまたはドラゴンテイルから前後18.50度以内で起きる新月かどうかが日食か否かを判断する基準になります。
日食は、太陽の一部が欠けて見える部分日食、月に覆われた太陽の円周がリングのように光って見える金環日食、太陽が月に完全に隠れる皆既日食があります。
上の写真は金環日食の写真です。
日食と月食で何が起きるの? 一般的な西洋占星術の解釈・定義・説明
一般的な西洋占星術、特に日本で通説化されている現代占星術では、日食と月食はドラゴンヘッド・ドラゴンテイルが刺激される新月と満月であるため、通常の新月や満月と違ってそれぞれ半年間の影響を与える特別な新月と満月であると考えます。
一般的に言って、日食は新月であるため、新しい始まりと関連付けられます。一方で、月食は満月であるため、手放しや成就と関連付けられます。さらに、未来や獲得・終わらない欲望を示すドラゴンヘッド側で起きるのか、過去や解放・解脱を表すドラゴンテイル側で起きるのかによって意味合いが異なってきます。さらにそこに、日食が月食が起きるサイン(星座)の意味も加わってきます。
日食と月食で何が起きるの? Celeste Tealの解釈・定義・説明
しかし、Eclipsesという有名な西洋占星術の書籍を執筆したCeleste Tealによると、プトレマイオスによる日食・月食に関する法則の一つが、一般的な日食の影響力は3年半であり、一方で、月食の影響については特に明確な期間が定義されていないものの最長で半年であると言います。また、日食のほうが月食よりも影響力が強いとも言われています。
しかし、Tealの研究によると、それぞれの日食・月食はインパクトの強さや影響力は各回で違っており、たとえ月食であっても数年以上の影響力を与えるものもあると考えています。たとえば、日食または月食が起きている度数と正確に合になる位置に何らかの天体が来た場合、この天体の意味合いが加算されてパワフルな日食または月食になる可能性があるということです。
そのため、Tealは自身の研究結果から、日食・月食の影響力を判定する基準をいくつかピックアップし、加点方式で日食・月食のインパクトの強さを測る方法をEclipsesの書籍の中で提示しています。
>>>Eclipses: Predicting World Events & Personal Transformation (Special Topics in Astrology)
※日食・月食の影響力の強さを判断する基準についてはこちらの記事に書いています。
日食・月食が個人や国家に与える影響を判断する基準は?
もちろん、個人や国家に与える日食・月食の影響は、それぞれ異なっています。出生図もしくは国の建国図などが基準になります。
たとえば、アセンダントが乙女座20度の人がいて、あるときの月食が乙女座20度付近で起きた場合、仮にその月食がCeleste Tealが提唱する基準では影響力が低い月食だったとしても、その人にとってはとても影響力のある意味ある月食になるでしょう。
このように、一般的に言って、日食・月食の起きる度数と全く同じ度数のところに個人の出生図の天体がある場合、その日食・月食の影響はその人にとってはとても影響があるものになります。
※今後数十年間の日食・月食の起きる度数一覧を後日記事に書きますので参考にしてみてください。
出生前日食(先行日食)と出生前月食(先行月食)について
なお、出生図と食(エクリプス)について考える上で欠かせないのが、出生前日食(先行日食、プレネイタルソーラーエクリプス)と出生前月食(先行月食、プレネイタルソーラーエクリプス)という考え方です。
これは、自分が生まれる直前の日食が、自分の人生のテーマを示しているという考え方と、自分が生まれる直前の月食が、自分の人生のテーマを遂行するにあたって課せられた課題を示しているという考え方です。
トランジットの月食・日食だけではなく、このプレネイタルエクリプスの影響は計り知れないものがあるので、また後日詳しい記事と解説を書いていきたいと思います。
※プレネイタルエクリプスについては、ジャン・スピラー(Jan Spiller)とカレン・マッコイ(Karen McCoy)のこちらの本にも書いてあります。
※日本人だと橋本航征氏の本に書いてあります。