2023年の四季図・四立図と小惑星ジュノー~古いつながりを引き裂くジュノーの嫉妬が次の時代の共同体を作るきっかけになる
東洋の暦の始まりである立春が迫ってきておりますね。そろそろ、2023年の年間のリーディングをしようと思っていろいろチャートを比較検討しておりますが、ざーっと四季図・四立図を見ていたら小惑星ジュノーが要所要所で効いているな~と思いました。
小惑星ジュノーについてはこんな記事も書いていますが、
ジュノーは、一般的には結婚とかパートナーシップの女神と言われていますが、マンデン占星術で見たときにはジュノーが特徴的な配置にある時は、その国にとって国難、もっというと「古いつながりが引き裂かれる」みたいなことが起きてきやすいように思います。
で。
私はジュノーのこの不思議な「引き裂く」エネルギー説明としては、シュタイナーの言説が一番参考になるなと思っています。
つまり、ジュノー(ヘラ)というのは、人間の個我意識と関わっているというシュタイナーの言説ですね。
もっと具体的に言うと、ディオニュソスとヘラ(ジュノー)の逸話です。
ディオニュソスはゼウスとセメレーという人間の女との間にできた子ですが、ヘラ(ジュノー)はこのディオニュソスに嫉妬し、ディオニュソスを八つ裂きにしてしまうんです。
これをシュタイナーは、かつて古代人が持っていた宇宙や共同体との霊的な一体感や霊視能力(ディオニュソス)が、人間の中の個我意識(ヘラ・ジュノー)の誕生によってばらばらになり引き裂かれて一人一人の中に入っていたことの象徴だ、と考えました。
ちなみにね、この神話には続きがあって、なんと面白いことに、この八つ裂きにされたディオニュソスの心臓をアテナ(パラス)が拾って救済し、そこから新しいディオニュソスが生まれるんです。
そして、この新しいディオニュソスは、かつての古いディオニュソスのような古代人的な霊的な力ではなく、全く新しい力によって人と宇宙と共同体の結びつき復活させる存在だと言われているんですね~。
その新しいディオニュソス的力とは、ジュノー的な個我意識によってばらばらになった人間が、パラスによって救済された古いディオニュソスから引き継いだ心臓(ハート)の愛を、まさにその個我意識が可能にした自我から発揮することなのだそうです。
よって、ジュノーというのは、私たち人間が個我の意識を強く自覚する働きをするので、ジュノーが強い四季図や四立図の場合、どうしても古いつながりが断たれがちということですかね。
その意味でいうと、コロナ禍真っ只中であった2020年の春分図ではICに逆行中の天秤座のジュノーが合となっていましたが、まさにコロナ離婚とかありましたし、既存のつながりが断たれたこの年の特徴の1つがジュノーで説明できますね。
で。
我々がこれから迎えつつある2023年ですが、春分図そのものにジュノーが・・・というわけではありませんが、四季図や四立図を出すと、要所要所でジュノーが際立った配置になっております。
よって、2023年の特徴の一つとして、やはり古いつながりが断たれる、ということはありそうですが、同時にそのたびに、新しいつながり、新しい時代の共同体の構築もまた進むのだと思います。
東洋の暦では2023年は癸卯年ですが、卯は扉の象形文字であるともいわれていて、扉が開いて外に出ていくというイメージがあります。同時に癸卯は「きぼう」と音読みします。希望、ですね。
なので2023年は、離れていく、壊れていく、なくなっていく、ということに意識を合わせてしまうと苦しみや悲しみが深まりますが、それが新しい希望なんだという意識を持っておくと、多少の困難も乗り越えていけるのではないでしょうか。