[つぶやき]イルカと魚竜のフラクタル構造~失敗は成功の母の本当の意味について
ここ最近、ノートに書くっていうことを意識的にやるように、というお達しがありまして、色んな手帳術やノート術の著者さんのご本を読んでいます。
ちなみに、ノートや手帳については、月のサイクルに合わせた独自の活用法があると思っているので、それを今検証しているところです。
ノートや手帳に日々のあれこれを綴っていったり、お願いしたいことや叶えたいことを書いていくことがどうして重要か。
ということを考えていて、私なりに理解したことがあります。
それは、いわゆる「フラクタル構造」のことです。
ちなみに私、特に西洋美術史の世界で、繰り返し繰り返し現れる「身振り」、あるいはイメージの背後にある精神性について関心があって研究をしていました。
やがて、人間が作り出したものだけではなく、人体の各所や、自然界のいろいろな事象同士が「似ている」ということ、アナロジーと呼ばれる宇宙の力にも関心を向けるようになりました。
既にゲーテの時代から「アナロジー」という概念がありましたし、ゲーテに影響を受けた三木成夫は、人間の胎児が生命の進化段階を駆け足でたどっていく様子を「おもかげ」という言葉で表現しています。そして、近年のフラクタル理論もこの路線上にありますね。
つまり、何らかの形態(型、エッセンス、パターン)は、それ単体で突然現れてくるものではなく、必ずどこかに(空間的・時間的に違うところで)似た構造がある、ということです。
そして、どんな現象も、できごとも、過去や未来の何かをうっすらと反映しているものであって、特に変化を与えなければ、繰り返し繰り返しそれは現れてきます。
たとえば、はるか昔、恐竜の時代、「魚竜(イクチオサウルス)」と呼ばれる恐竜がいました。
画像出典:Wikipidia
魚みたいな形ですが、爬虫類です。
この姿、イルカにそっくりですよね?イルカは哺乳類で魚竜は爬虫類なのに。
つまり、恐竜の時代にあらわれた魚竜は、現在私たちが知っているイルカの形のフラクタル構造になっているわけです。
直線状に流れる時間の感覚でいうと、魚竜は、イルカの前の存在なので、魚竜はイルカの雛形になっていると言ってもいいかもしれません。
ある観点から見ると、イクチオサウルスは絶滅した存在ですから、いわば「失敗」だったとも考えられます。
しかし、このイクチオサウルスという「失敗」はイルカという「成功の母」だったともいえないでしょうか?
これが、「失敗は成功の母」という言葉の意味なのかなと思います。
自然界も、宇宙も、常に試行錯誤をしながら、より良いものを時間軸の中で生み出そうとしているということです。
ただし、こうしたエッセンスを繰り返し生み出しながら、変化を創り出すポイント(創造の瞬間)というのは、いつも、歴史の時間の外にある、ということが重要なポイントになります。