占星術のアウト・オブ・バウンズ(out of bounds)とは?意味・解釈・有名人の事例について
占星術のチャート解釈で日本ではあまり知られていない要素の一つに、アウト・オブ・バウンズ(out of bounds)というものがあります。これは、1994年ごろから研究されるようになり、近年ではSteven Forrestが詳細に研究したことで有名になった概念です。アウト・オブ・バウンズの占星術における意味や定義、解釈について解説していきます。
この記事の目次
アウト・オブ・バウンズ(out of bounds)の意味・定義とは?
アウト・オブ・バウンズとは、天体が赤緯・北緯の23.26度を超えた位置にある場合のことです。天体は、基本的に赤緯・北緯それぞれ23.26度以内に存在していますが、場合によっては天体がこれらの度数を超えた位置に存在することもあります。これを、アウト・オブ・バウンズと呼びます。
アウト・オブ・バウンズになる天体は?
なお、すべての天体がアウト・オブ・バウンズになるわけではありません。アウト・オブ・バウンズになるのは、火星、月、水星、金星、冥王星、天王星(と、木星)です。
月は15%、水星は13%、金星は12%、火星は17%、木星は1%、天王星は8%、冥王星は10%の確率でアウト・オブ・バウンズになります。
太陽、ノード軸(ドラゴンヘッド・ドラゴンテイル)、土星、海王星、キーロンはアウト・オブ・バウンズにはなりません。
アウト・オブ・バウンズの天体の解釈は?
天体がアウト・オブ・バウンズになるとき、仮にその天体が特出したアスペクトや配置でなかったとしても、良くも悪くも目立つ形で現れると言われています。その表現の仕方は、社会的な枠にとらわれず、クリエイティブな潜在力が力強く出てくる、と言われています。若干エキセントリックでワイルド(野性的)な形になる可能性があるというのです。
たとえば、作家で水星のアスペクトが特になかったり、水星のアスペクトが傑出していないというケースでも、よく調べると水星がアウト・オブ・バウンズになっていることがあります。この場合、仮に水星が過激さを持たないようなサインや配置であっても、表現としてはエキセントリックだと感じたり、奇抜さやワイルドさを感じることもあるようです。
また、スポーツ選手で火星が強い配置ではないケースでも、アウト・オブ・バウンズになっていたりということがよくあります。この場合、仮に火星がほとんど目立たない位置にあっても、傑出したスポーツ選手になることがあります。
アウト・オブ・バウンズの天体の事例~出生図でアウト・オブ・バウンズの天体のある有名人
以下、参考までにアウト・オブ・バウンズの天体を持っている有名人の例をピックアップしました。
アウト・オブ・バウンズの月を出生図に持っている有名人
- ジャッキー・チェン
- カイリー・ミノーグ
- オリビア・ニュートン・ジョン
- オプラ・ウィンフリー
- ブリジッド・バルドー
- ウォーレン・バフェット
- ジョン・ロックフェラー
- ボードレール
- フロイト
- ヴィクトル・ユゴー
- スティーヴン・キング
- アルベルト・アインシュタイン
- アーノルド・シュワルツェネッガー
アウト・オブ・バウンズの水星を出生図に持っている有名人
- トム・ハンクス
- カイリー・ミノーグ
- エルビス・プレスリー
- フランク・シナトラ
- リヴ・タイラー
- デンゼル・ワシントン
- ドナルド・トランプ
- ケプラー
アウト・オブ・バウンズの金星を出生図に持っている有名人
- チャーリー・チャップリン
- クリント・イーストウッド
- ローベルト・シューマン
- フランク・シナトラ
- ヴァレンティノ
- ウィリアム・ブレイク
アウト・オブ・バウンズの火星を出生図に持っている有名人
- ジャッキー・チェン
- グレタ・ガルボ
- キャサリン・ヘップバーン
- モーツァルト
- パヴァロッティ
- スピルバーグ
- ヴァレンティノ
- フリーダ・カーロ
- ウォーレン・バフェット
- ウォルト・ディズニー
- ピカソ
- バイロン
- ルイス・キャロル
- アガサ・クリスティ
- T.S.エリオット
- ゲーテ
- トニ・モリソン
- エディソン
アウト・オブ・バウンズの天王星を出生図に持つ有名人
- グレタ・ガルボ
- オリビア・ニュートン・ジョン
- メリル・ストリープ
- ダリ
- ボードレール
- スティーヴン・キング
- イエイツ
- ケプラー
アウト・オブ・バウンズの冥王星を出生図に持つ有名人
- エルトン・ジョン
- ポールマッカートニー
- ジルベスター・スタローン
- メリル・ストリープ
- レオナルド・ダ・ビンチ
- ドナルド・トランプ
- バイロン
- アーノルド・シュワルツェネッガー
アウト・オブ・バウンズの調べ方は?
アウト・オブ・バウンズの調べ方は2種類あります。1種類は無料でオンラインで調べる方法、もう1種類はスターゲイザーというソフトを使って調べる方法です。
アウト・オブ・バウンズを調べる方法その1~Astrodienstのエフェメリスを使って無料で調べる
アウト・オブ・バウンズは、サイトを使って無料で調べることができます。おすすめは、Astrodienstのサイトのエフェメリスを取得することです。
その際に気をつけていただきたいのが、Ephemeris with decl./lat. for a year, PDFのように、”with decl./lat.”と書いてあるエフェメリスを選ぶことです。
そして、出力されたエフェメリスの中のdecl.という表示が、赤緯(declination)に該当します。この数値が、23.26度よりも大きい場合に、その天体はアウト・オブ・バウンズとなります。
上記の写真はエフェメリスの一部ですが、金星のdecl.(赤緯)が23.26度以上になっています。この場合、金星はアウト・オブ・バウンズになります。
アウト・オブ・バウンズを調べる方法その2~スターゲイザー(有料)を使って調べる
アウト・オブ・バウンズは、スターゲイザーを使って調べることもできます。スターゲイザーではチャートを計算すると右側に「赤緯」という数字が表示されます。その赤緯の数字が23.26度以上になっていれば、その天体がアウト・オブ・バウンズとなります。
アウト・オブ・バウンズについて分かる参考サイト(英語)
アウト・オブ・バウンズについては、英語やヨーロッパ言語の方が情報が多いです。