2018年8月11日の部分日食が与える今後の影響~恐れを克服した英雄が祖父伝来の土地を放棄して新しい領土の王となる トランジット天体の分析

高橋ともえ

月食・日食が生じた星座(サイン)の度数は、トランジット天体の通過によって刺激され活性化したり、成熟化・完了化が進んだりすると言われています。この記事では、2018年8月11日の部分日食の今後の影響(半年~3.5年)を、トランジット天体から分析しています。

この記事の目次

2018年8月11日の獅子座新月(部分日食)の度数を刺激するトランジット天体の通過

2018年8月11日の部分日食は、獅子座18度付近で起きました。アメリカ人の占星術師Celeste TealのEclipsesという本に書いてある日食・月食のパワーを評価するフォーミュラに当てはめると、この日食は、水星と小惑星パラスと合という以外はこれといって特筆すべき配置ではなく、ノード(ノースノード)からも度数が離れていますので、それほど影響力の強い日食ではないと思われます。

ただし、この獅子座18度の対向側の水瓶座18度には、半年以内に火星がトランジットします。さらに4年以内には、水瓶座18度には土星がトランジットしますので、その時に今回の部分日食のテーマが再燃しそうです。

下のチャートは、2018年8月11日の獅子座新月(部分日食)の図(東京時間)です。

2018年8月11日獅子座新月部分日食ホロスコープ

2018年8月11日の月食時の太陽または月に対してトランジット天体(火星、土星を中心に)が刺激を与えるとき

今後半年~3.5年のうちに、獅子座18度を刺激することになる天体のトランジットを調べてみました。

Celeste Tealによると、金星や水星などのトランジットもある程度は影響があるものの、最もドラスティックに月食・日食時の度数に対しての作用を与えるのは、火星と土星であると考えています。

火星は、その日食・月食のテーマを活性化・点火します。土星は、その日食・月食のテーマを成熟化・完了化に向かわせます。その他、木星や天王星、冥王星や海王星なども大きな影響を与えます。

2018年8月11日の日食時の度数(獅子座18度)に対してトランジット天体が合またはオポジションになるときのリストはこちらです。

  1. 2018年10月27日 火星が日食時度数に対してオポジション
  2. 2019年7月31日 火星が日食時度数に対して合
  3. 2020年4月26日 火星が日食時度数に対してオポジション
  4. 2021年5月7日 木星が日食時度数に対してオポジション
  5. 2022年2月22日 土星が日食時度数に対して1回めのオポジション
  6. 2022年10月12日 逆行土星が日食時度数に対して2回目のオポジション
  7. 2022年11月3日 土星が日食時度数に対して3回めのオポジション

上記のうち、特に重要な日付は以下の4つになります。

2018年10月27日 火星が日食時度数に対してオポジション

2018年10月27日、火星が日食時度数に対してオポジションの位置にきます。2018年8月11日の日食から半年以内なので、このオポジションの配置は影響が強いと思われます。

2018年8月11日の日食への影響ホロスコープ

ちなみに、この時期の前後、ヘリオセントリックの流れで重要なイベントが起きます。それが、10月24日にはヘリオセントリックの天王星と地球の会合10月26日にはヘリオセントリックの金星と地球の会合です。

2018年天王星逆行

2018年金星逆行

そしてこの時期、金星と天王星は、それぞれ蠍座2度と牡牛座0度でオポジションを形成しています。

天王星は水瓶座火星とは直接的なアスペクトでは絡んでいませんが、サイン上ではスクエアであり水瓶座火星のルーラーですので、この金星に対する天王星のジオセントリックのオポジションと、金星・天王星はぞれぞれの会合は、2018年8月11日の配置に対して重要な転機となるでしょう。

2018年8月11日で、「ペルセウスがメドゥーサの首を切り、その首を武器として英雄になり、その首から滴った血が命を生み出したように、私達も目を背けたくなる恐れている自分を見つめ、それを克服するというトレーニングによって、自分を高めつつ他者へ奉仕する時期が来ています。」というテーマがあることを指摘しましたが、10月24日~27日頃には、闇や恐れの中に潜在している魅力(蠍座金星)を新しい豊かさのために使う(牡牛座天王星)ために、魅力や才能や豊かさの意味の書き換えが太陽目線(高次の意志)から行われる時期だと言えるでしょう。

2022年2月22日、2022年10月12日、2022年11月3日のトランジット土星が日食時度数に対して合計3回のオポジション

そして、一般的な占星術(プトレマイオス)で言われている日食の有効期間(3.5年)ギリギリになりますが、2022年の2月から11月にかけて、順行と逆行をはさんで合計3回、トランジットの土星が2018年8月11日の日食事度数に対してオポジションになります。

3回の土星トランジットの最後の2022年11月3日のチャートがこちらです。

2018年8月11日の日食の影響ホロスコープ

このチャートでも目を引くのは、蠍座金星と牡牛座天王星のオポジションが形成されていること、さらにこのオポジションが水瓶座の土星とTスクエアの配置になっていることです。2018年8月11日の日食の度数と合わせてグランドクロスの配置になります。

2018年10月27日の配置でも蠍座金星・牡牛座天王星のオポが形成されていましたが、この時期は山羊座の土星が調停の位置にあったのですが、2022年11月3日の配置では、蠍座金星・牡牛座天王星のオポに対して水瓶座の土星がTスクエアへと変化しています。

この日の配置は、金星蠍座側のテーマへの強い働きかけが促されています。2018年8月11日の日食では英雄としてのイニシエーションが行われ、高次のサポートのもとに輝かしい才能(武器、ペルセウスにとってのメドゥーサの首)を手にしたわけですが、2022年11月3日には、恐れを克服して得た才能や資産(蠍座金星)を、全体への奉仕につながる形で(土星水瓶座)、新しい豊かさをもたらすために使う(天王星牡牛座)ためのレッスンが起きてきそうです。つまり、イニシエーションを経た英雄が、実際の(現実世界での)奉仕への意欲を強く問われる時期となりそうです。

ペルセウスも、自分の恐れを克服してメドゥーサを武器にし、アンドロメダという愛する女性を助け出して妻にして自己実現(自己の欲望の実現)を果たしたあと、一国の王となるべく様々な旅を続けていきます。

興味深いことに、ペルセウスが国王になるとき、祖父を間違って殺してしまうというエピソードがあります。先祖殺しという汚名を着ることになるペルセウスは、祖父の国土を継承することを恥じて、別の王と国を交換して新しい領土の王になります。

2022年11月3日は文化の日であり、日本にとっては日本国憲法公布の日に当たります。日本の建国チャートをどこにするかについては諸説がありますが、この日・この時期には、日本がこれまで先祖代々継承してきた領域での支配権を手放し、新しい領土の支配権を得るような出来事が起きてくるかもしれません。

土星・天王星のスクエアはもともとリストラアスペクトとも言われています。ここに、金星と合になったサウスノードが絡んでくるので、日本という国が継承してきた豊かさや富に対しての手放しと作り変えが余儀なくされるかもしれません。たとえば、金融や経済などの分野での何らかの切り替えが起きることが予想されます。

2018年8月11日の日食の結果~恐れを克服した英雄が新しい領土の王となる

日食時の度数に対して土星がオポジションになる2022年11月3日は、

恐れを克服した英雄が、祖父伝来の土地を放棄して新しい領土の王となる

ということが起きてくると思います。

2022年11月3日のチャートでノースノード側に合となっている天王星は、技術革新や新技術を司る天体です。たとえば、84年前の牡牛座天王星時代には、フィルムカメラや自動車が生まれましたが、時代を経て84年が経過し、キヤノンがフィルムカメラ生産終了を宣言しました。一つの技術(産業)の誕生から死までが天王星のサイクルに該当します。この観点から言うと、日本がお家芸として大切にしてきた国の基幹産業である自動車産業も、この2022年ごろには電気自動車や他業種からの自動車産業参入などによって大きく変化を余儀なくされる時期になるのではないかと思います。

ペルセウスは、その誕生時から祖父を殺すという予言をされたため、予言の成就を恐れた祖父によって追放されます。そして物語の最後、この予言が成就し、ペルセウスは祖父を誤って殺害してしまいます。そして、それを恥じたペルセウスは、祖父伝来の土地を手放して新しい領土の王となることを選ぶのです。

この時期、日本を負って立つ若者たちは、祖父の代、つまり高度経済成長時代の社会では良しとされてきたことを破壊し、新しいジャンルで豊かさを生み出していくのではないでしょうか。それは、祖父の代の目線から見れば祖父殺しでもあるのですが、家系や血統の継承と繁栄という意味では必然的なことでもあります。

もちろん、既存の構造やジャンル(祖父伝来の土地)を手放す痛みはあるかもしれませんが、種が続くためには新しい変化は必須です。2022年11月3日頃には、日本が新しい時代に担うべき活躍ジャンルの形や姿がくっきりと見えてくるようになるのではないでしょうか。

2018年8月11日ごろ、あなた自身が「こうありたい」と思った理想の自分や英雄的な活躍をしている人についてのイメージがあれば、メモをとっておくことがおすすめです。

特に、個人天体が獅子座18度付近にある方にとっては、2018年8月11日の日食はとても重要な日食になります。

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高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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