彗星は、火星と水星の現象に関わる。シュタイナーの彗星論と、プトレマイオスのテトラビブロス、そしてこの時代だからこそキロンが必要な理由。
今年は無理かなーと思っていたキロン講座ですが、東洋の占いで立卦したら、GO!ってサインが出たので、出来たら年内のリリースを考えています。年内はキロン講座と、聖十二夜のノートワークだな^^
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・・・ところで、私は彗星に対して並々ならぬ関心があるのですが、実はキロンって、彗星型小惑星と呼ばれているのですよ。
そう、キロンはもともと太陽系外からやってきた彗星で、何らかの理由で太陽系の中にとどまった存在だと言われているの。
でね。
シュタイナーはカルマ論の中で彗星について面白いことを語っています。
それが、彗星というのは、宇宙のカルマに関連していて、既に進化段階として終了していて既に地球からは排除された月紀の法則を太陽系にもたらそうとする存在だ、というのです。そして、本質的にルシファー(ルチフェル)存在と関連しているのが彗星なのだというのです。
では、こうやって地球から月紀にこのルシファーが排除され、別の進化(あるいは進化の停滞というプロセス)をたどらなければならなかったのはなぜなのでしょうか?
それは、この月紀に地球から排除されたルシファー的な存在たちが、地球の住人のために自由意志と悪への可能性を地上にもたらすためなのだそうです。
これは、ルシファー存在による一種の犠牲的な行為であるというのがシュタイナーのルシファー論なのですね。
この辺りのことを踏まえてキロンを考えると、非常に面白い考察ができるなと、個人的には感じています。
特に、今なぜキロンなのか?というのを考えることは、シュタイナーが言う地球紀における火星紀から水星紀への転換にとって非常に重要なのだと思っています。
シュタイナーの宇宙論でいうと、今私たちは地球紀という時代を生きています。この地球紀は、前半は火星、後半は水星だと言われています。そして、火星紀から水星紀への移行は水瓶座の時代に来ると言われています(ただしシュタイナーの計算では水瓶座の時代はまだ1000年近く後にやって来るのですが)。
とはいえ、現代を生きる私たちはまさに、火星紀から水星紀への移行の真っ最中と考えていいでしょう。
では、火星紀と水星紀って何が違うのでしょう?
火星紀は、血や血統を重視し、またそれらの民族に結びついた言語と精神性の発達、そして科学技術の発達や争いや闘争というったテーマがあります。最も物質主義的な時期になると言われています。
一方で水星紀というのは、一言で言うと「治癒」の時代。文字通り医療や医術と考えてもいいですが、あらゆる対極の錬金術的和合(水星にはヘルマフロディトスという両性具有性があります)、そして火星紀に良いとされてきた価値観の変容を促す時期になります。
シュタイナーが晩年、特に農業や医療や薬学などのジャンルに力を入れたことを考えると、この水星紀の準備を意識していたのではないかなと感慨深いです。
※そしてこの水星紀の準備を彼と一緒に秘教的に行っていたのが、例のオランダ人の人智学の女性ですね。
でね。
ここから先は、私自身の魂的な系譜から来る独自の洞察いなりますが、キロンについて考えるということは、シュタイナーの言う火星紀と水星紀のシフトを意識するということに他ならないと思っています。
なぜかというと、キロンはその出自からして血縁から否定されたり疎外されているからです。キロンは望まれた子ではなく、実の父にも否定され、実の母にも捨てられています。実際のチャートを見ていても、キロンが関わる要素は、実の両親や血縁者から疎まれたり否定されることが多いです。
ところで、火星紀というのはまさに、血液の中にある鉄分、つまり血縁や血統を通じて様々なものを継承する時代であるわけですが、キロンを考えると、まさにこの火星紀的な血縁や血統による継承がむしろ苦しみの種になっているということが分かります。自分を疎んで捨てた父クロノスから受け継いだ不死であるという神としての質ゆえに、毒矢にあたっても死ななくて苦しんだわけですから。
一方でキロンは、水星紀を象徴する医術や医療の教師として知られています。しかも、単なる医者という意味だけではなく、自分の人生の苦しみを通じて他人に癒しを提供する人物として描かれています。この部分に私は、水星紀における癒しの極意を感じるのですね。
そしてね。
キロン=彗星と水星と火星の関わりについて、古い文献を紐解くと、プトレマイオスがテトラビブロスの中で、こんなことを言っています。
彗星と呼ばれている天体現象が生じるときは、それが蝕に関係する時期であれそれ以外の時期であれ、…火星と水星が関わる現象に類似した作用をもたらす。つまり、戦いを起こし、緊迫し混乱した雰囲気をもたらし、人間の身体の中にあらゆる悪しき結果とその帰結をもたらすのである。
つまり、彗星は、戦いや混乱や苦しみ(火星)とまさにその苦しみを通じての治癒(水星)の2つをもたらすというわけです。
これは、彗星という星が古代から戦や騒乱を意味する不吉なものであると思われつつ、同時に救世主の象徴(実際、ジョットーはイエスの生誕の星を彗星として画いた)とも考えられてきたことに通じるわけです。
※彗星についてはこちらのnoteにもマニアックな記事書いているよ。
・・・うーん、深い。
って言うかキロン講座、リスケを予定していましたが、やっぱり年内、できたらミカエルマス(9月29日)過ぎたくらいにはリリースしたいともくろんでいます。
私自身、自分が太陽とキロンがスクエアだってことをほぼ忘れて生きてきましたが、今ちょうど土星と天王星のトランジットのスクエアに、自分のネイタルの太陽とキロンのスクエアが巻き込まれていて、日々キロン的なテーマに向き合っている最中。
講座は、これまでリリースしてきた他の講座同様に、自学自習+シェア会でやっていきますね!
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