キロンとケンタウルス族と「毒」~彗星とシアン化合物
今年は易の学びが急激に進行していて、占星術の講座はリリースできないかなーと思っていましたが、やっぱり今年中にキロンの講座は出すみたいです(そういう流れが来ている気がします)。
でね。
キロン講座を考えるにあたって、私は一番最初から気になっていたのが、キロンは元彗星で、何らかの理由で太陽系の中にとらわれるようになったという事実なのです。
キロンは、cometoid(彗星型小惑星)と呼ばれておりますが、実はキロンと同じように、もともと彗星で何らかの理由で太陽系の一天体になったという天体たちが、いわゆるケンタウルス族と呼ばれる天体群なのですね。
明確に元彗星であるということがその姿から分かっているケンタウルス族天体としてはエケクルスですが、多かれ少なかれケンタウルス族に分類される天体は元彗星という出自なのです。
そして・・・さらに面白いことに、これらの元彗星と思われる一群の天体たちにケンタウルス族という名前を天文学者が名づけたタイミングというのが、冥王星が射手座に入ったころなのです。射手座はケンタウルスの姿で描かれることもあるので、大変に興味深いですね!
そして、今文献を渉猟していますが、キロンと良くセットで語られるケンタウルス族の天体として、ネッソス(Nessus、ネッススとも呼ぶ)とフォルス(Pholus)という天体があるのですが、この2つの天体の神話には「毒」が重要なファクターとして出てきます。
まずネッソスは、英雄ヘラクレスの妻デーイアネイラにちょっかいを出そうとしてヘラクレスの怒りを買い、ヒュドラの毒を塗った矢で射殺されるのですが、死の直前にデーイアネイラを呼びつけて、「自分の血には媚薬の効果がある。もしヘラクレスが心変わりをするようなことがあれば、下着にこの血をしみ込ませてヘラクレスに着せろ」というのです。やがてデーイアネイラは、ヘラクレスが戦利品としてイオレーという絶世の美女を得たとき、ヘラクレスにネッソスの血のついた下着を着せます。しかし、ネッソスの血にはヒュドラの血が混じっていたため、ヘラクレスはたちまち瀕死の重体になり、苦しみを早く終わらせるために自分に火を放てと命じます。それを見たデーイアネイラは自殺します。
次にフォルスですが、フォルスはキロンと同じく他のケンタウルス族とは出自が異なり、温和な性格をしていました。フォルスはディオニュソスkから預かっていた酒の甕を所有していたのですが、これをヘラクレスが飲んでしまい、ケンタウルス族たちが怒り狂ってヘラクレスに攻撃を仕掛けます。ヘラクレスはヒュドラの毒のついた矢を放ってケンタウルス族を攻撃すると、ケンタウルス族たちは(ヘラクレスの師匠である)キロンのいるところへ逃げていきます。その時、ヘラクレスが放った矢が間違ってキロンに当たってしまい、キロンは瀕死の重体になります。フォルスは、狂暴なケンタウルス族をヘラクレスが殺したときに使った矢を死体からぬいて観察している最中、あやまってその矢を落として自分の足に刺してしまい死んでしまいます。
というわけで、ケンタウルス族のどちらの神話にも毒が出てきます。※そして言うまでもなくキロンの神話にも毒が出てきます。
※ケンタウルス族についてはとても興味深いなーと思うことはもう1つあり、それが「酒と酒甕」というモチーフですが、これについてはまた後日考察していきますね。
この毒という要素は、実は彗星とも関連しています。
彗星は、その主成分がシアン化合物です。シアン化合物というのは青酸カリなどでも知られている致死の毒だと考えられています。彗星の天文写真を撮るとぼーっと青緑になりますが、これはシアン化合物の色なのですね。
毒という観点から見ても、ケンタウルス族=元彗星というつながりが見えてきますね。
そしてシアン化合物というのは、シュタイナー曰く、現在の地球の進化段階である地球紀の1つ前の月紀に由来する物質であると言われていて、ルシファー的な要素に関わっているというのです。
長くなりましたので、この彗星に含まれているシアンについては、また別記事で書いていきます。
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