血の汚れ、血液の汚れ。東城百合子さんの本を読み、あらためてシュタイナーの火星紀を考える

高橋ともえ

最近東洋医学系の自然療法の話を読んでいます。その中で、東城百合子さんのご著書がものすごーーく興味深く、特に彼女のエッセイを読んでかなり驚くことがありました。

それが、東城百合子さんが若い頃神学の道を目指されていて、神学校に通い、聖書を読む生活をされていたことです。
東城百合子さんといえば東洋医学のイメージが強かったので、この辺りはとても驚きました。

特に、彼女がエッセイの中で、新約聖書にずらずらと書いてあるイエスの家系図の意味について触れている個所は、非常に興味深いものがありました。

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東城百合子さんといえば、食事療法を中心として、東洋医学の根幹にある血液の浄化を伝道したパイオニアというイメージです。

しかし、実はその活動と並行して、ご自身の旦那さんとの困難な関係性を通じて、婚家の血の浄化の問題にも向き合ってきたのです。

その体験を通して、イエスの家系図の中に、遊女や異邦人(当時のユダヤ人の考えでは異邦人の血が混じることは良くないことだった)、略奪してきた女性などが書き連ねられていること、そしてそれらすべてをキリストが十字架の血によって浄化し、そして全人類の血の浄化を行ったことの意味に気づいたと書いています。

「キリストは十字架の血ですべてを浄化し、全人類の血の浄化までして逝かれました。この血の浄化は自分の力ではできません。

血液は食物によって変わり、よい材料を選ぶことで細胞の栄養となり、体は健康に養われます。これは見える体のことです。でも見えない「いのちの血」を変えることは、自分の力ではどうしようもない。」

ここで(おそらくシュタイナーを読んだことはないであろう)東城百合子さんが到達した気づきが、シュタイナーの言う地球紀における火星紀から水星紀への重要な変化に重なっていることに驚きます。

つまり、火星紀と水星期の間に起きた人類史的・宇宙史的な大事件がゴルゴタの秘儀としてシュタイナーが強調するイエスキリストの磔刑というイベントです。

以前の時代である火星紀は、「火星」の影響を受ける時代で、地球がどんどん物質化していく時代でした。人類についていうと、完成された身体の中にある血液(と鉄分)を通じて、霊性が展開していく時代でした。たとえば、ユダヤ教は火星紀に成立した宗教なので、ユダヤ人という血統にこだわります。他の民族を観察してみても、血筋を通して霊的な事柄が継承されていくことがうかがえます。しかし、イエスが生きた時代には、こうした霊統が堕落し、形骸化してしまっていました。

しかし、イエスキリストの磔刑によって、東城百合子さんが言うように、そしてシュタイナーが言うように、全人類の血の浄化(の可能性)が開かれたのです。ここからが、水星紀のはじまりです。

東城百合子さんは、イエスが切り開いた血の浄化の可能性に関しては明確な理論を述べていませんが、これをシュタイナー的に説明するならば、水星紀において治癒の可能性を切り開くのは自我だと述べています。

つまり、血の交わりによって人と人が結びつく火星紀的な在り方ではなく、自我の交わりによって人と人がお互いの内側で他者に目覚めることが水星紀の愛であり、このときはじめて治癒の可能性が開かれるということです。

人類はますます物質を制御しつつあり、自然に働きかける力を手にしています。この力はまだ人類の手には余るもので、過剰な自然破壊や行き過ぎた科学技術の力の脅威もまた私たちを脅かします。しかし、これもまた水星紀という新しい時代の変化の一側面であり、この変化を恐れ、進化の歩みを止めてしまうこともまたあやまちになります。

水星紀はメルクリウスの杖をシンボルとし、メルクリウスとは狭義には医者の象徴ですが、もっと広い意味では、教師やカウンセラーなど相手の(肉体だけではなく)自我に働きかけ変容させる人のことです。

※11/21追記:星くずトークで追加配信しました。

東城百合子さんという偉大な我が国の自然療法のパイオニアは、ドイツのヒルデガルトにも匹敵する功績を残されたなあと思います。

ちなみに個人的な意見ですが、物質としての血液の浄化とはエーテル体の浄化のことで、この分野に関しては東洋の陰陽五行論や東洋占術が管轄し、アストラル的な血の浄化に関しては西洋の四体液論やそれと通底する西洋占星術が管轄しているのではないかと思っています。

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ABOUT ME
高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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