日本人は古代から、未来から流れてくる時間感覚を持っていた。
2023年以降は東洋の占い(易と風水)を取り入れてセッションをしたり、五行と心理学の講座もリリースしようと思っています。そして、実は今水面下で、京都で一子相伝で四柱推命を受け継いできた方から、吉凶論のない日本独自の四柱推命を教えてもらう計画も立てているところw
でね。
私は昨年末は、アガスティアの葉とか、マントラ瞑想に取り組むとか、バガヴァットギーダーを読んだりとか、がっつりとインドづいていたのですが、
古いインドの世界観や特に小乗仏教的な仏教的な世界観って、ドーモ厭世的というか、「この世は霊的な世界から常に堕落(降下)し続けており、私たちを取り巻く世界はマーヤ(幻)である。人の真の幸せとは悟って輪廻から解脱すること」という考え方が強いですよね。それゆえ、人の運命が生れ落ちた瞬間にほぼ決まっているかのような諦念的な感性が強いのですよね。。。
一方で、日本の仏教はその始まりから、すべての人が救われるという大乗仏教のエッセンスを強く深く受け継いでいると感じています。特に、大乗仏教がある意味では社会運動というか、ありとあらゆる分野にまで強く深く影響を与えているのが日本の特徴かなと思います。
たとえば、一般的に宗教とは無縁そうに思える「商売・商業」に対しても強く影響を与えており、一番有名なところでは江戸時代に浄土真宗を篤く信仰した近江商人ですね~
※これには、シュタイナーの言うように16世紀火星で仏陀が行った秘儀(現世を生きるタイプと出家して霊的に生きるタイプの2つに人類が分裂するのを避けるための秘儀)の影響も強く出ていると思いますが。
しかし、もっと昔、たとえば、なんと・・・鑑真和上のお寺である奈良の唐招提寺の薬師如来は、古銭を握りしめているらしいのです。
これは空海とも親交のあったソグド人(と思われる)渡来人の安如宝という人物が、商業を生業とする自分の出身民族の風習を取り入れて、祝福の意味を込めて薬師如来に古銭を握らせたとか。
※ちなみにソグド人はアレクサンダー大王の妻ロクサネの出身民族でもあります。
で。
シュタイナー的な文脈で理解すると大乗仏教には現世から隠遁しないで世界と関わろうとする衝動がある、だから大乗仏教の国である日本では、こうした形で仏教が広まった、ということになると思うのですが、私個人の感覚では、もっと古い時代から日本(の古神道)には、大乗仏教とは別の形で、非常に未来志向の感性というか、ネガティブをむしろむすび(産霊)の機会にしてしまうような感性があると感じています。
たとえば古事記の神話を読むと、日本の神々って、ネガティブなことを受け入れたり甘受しながら、むしろとても高貴なものや尊いものを創造をするっていうパターンが多いですよね。
有名どころでは、イザナミを追いかけて黄泉の国に行ったけど結局仲たがいして(失敗して)戻ってきたイザナギが、禊祓いをすることで三貴子、つまり太陽の神アマテラス、月の神ツクヨミ、海の神スサノオを創造します。言ってみれば、耳を洗ったり鼻を洗った汚い排泄物・汚物から日本神界の中でもトップクラスの尊い神々が生まれてるわけですよww
他にも、コノハナサクヤヒメは、身ごもった子どもは別の神(国津神)の子どもではないかというニニギノミコトの嫌疑をはらすべく火を放った産屋の中で出産するわけですが、これもまた超ネガティブなことをきっかけにして子供を産むという創造を成し遂げるわけです。そして、コノハナサクヤヒメは最終的にはニニギノミコトと仲直りしてしまうというか、ニニギノミコトの器のちっせーところをも受け止めてしまうのですよねぇw(この辺りは諸説ありますが、私個人はコノハナサクヤヒメの懐の大きさというかある意味深い自信、相手の不安からくる言動にちょっとやそっとで揺るがない深い愛を感じます~)
ところで、コノハナサクヤヒメに関しては、ほぼ同じようなモチーフの神話としてラーマーヤナのシータ姫のくだりがあります。
英雄ラーマがラーヴァナという悪役に妻のシータ姫をさらわれていたのを救出したところ、ほどなくシータ姫の妊娠が分かるのですが、ラーマはシータ姫が身ごもっているのはラーヴァナとの間の子ではないかと疑い、シータ姫に身の潔白を証明させようとするんですね。だシータ姫は、大地の女神に「私が貞潔ならば大地に受け入れて欲しい」と言ったところ、大地はシータ姫を飲み込んでしまい、二度とラーマのところに戻って来ないという逸話です。
うーん、やっぱり日本は、どうも仏教伝来以前から、何か超ポジティブというか? 負もまたむすびのネタにしてしまうというか? ある意味ではすさまじく未来志向な感性があるんじゃないかと感じているのです。
※ちなみに、日本の古神道の神々のこのレジリエンスさ(というか単に負から立ち直るだけではなく成功=大創造する不思議な力強さ)については、リュウ博士のこの本が詳しい~!面白かったですよ。
でね。
どうして日本人はこのへこたれない不死鳥のような不思議な強さがあるのか、ということの説明の一つとして、古神道関係者の方とお話をしていると必ず出てくるのが、
日本の時間感覚は、未来から現在へ、現在から過去へと流れていた。
仏教の因果応報の感覚や暦の伝来によって過去から未来へという時間も入ってきたが、
江戸時代まで庶民の間では時間は常に未来から流れてくるという感覚があった。
という話です。
だからこそ、この災害大国の中でも日本人は、
たとえ突然の負の出来事ですべてを失ったかもしれないけど、未来は分からない。その未来からくる時間を信じて生きていこう。
みたいな、希望を胸に抱いて何度でも立ち上がるのでしょう。
※もっとも、東洋の易の世界にも、西洋(占星術)の世界にも、時間は逆に流れる、つまり「未来から流れてくる時間」という発想はあるのですが、それはやはり秘儀というかメジャーなものではなく、権力者や一部の人によって「一般からは伏せられている」ものでした。
でね。
冒頭に戻りますが、私が習おうと思っている四柱推命の先生は、京都の古い家系で一子相伝で四柱推命を含めて東洋の占いを習われた方なのですが、なんと一般的に吉凶ガチガチに決まると言われている東洋系の占いの中でも、「星に良い悪いはない」という吉凶論を超える発想が古代から日本にはあると、習ってきたそうです。
そして、その発想を支えているのが、まさにこの、
時間は未来から現在へ、現在から過去へ(現代とは逆)に流れている。
という古代からの古神道の中にある日本人の確信なのだそうです。
うーん。
すげっ!!
ちなみに、この世をはかなみ厭世する古い時代の仏教ではなく、衆生救済を目指す大乗仏教は東洋の様々な国で広まっていて、中国や韓国でも当然広まってはいますが、特に日本で強く大きく社会経済と結びつく一大運動となって広まった理由の一つが、元来日本人が古神道の中にあるとても未来志向な感覚なのではないかと思うのですよね。
というわけで、なんか最近東洋、特に日本の仏教や古神道との融合が進んでいるなーと思うのですが、まだまだ学びは続く~。四柱推命も、いずれは習得して皆さんと分かち合えたらうれしいなあ~w