「道を知れ」と言われてヒルデガルトを知った話。ヒルデガルトとの出会いその1
ここ最近またヒルデガルトの音楽を聴いたり、彼女の神学書を読んだりしています。というのがね、今急速に天使について勉強し直すという課題が来ておりまして、Kimberly Marooneyさんの本を読んでいたら、彼女のリネージ(霊的系譜)としてヒルデガルトの名前があげられていたから。
※今読んでるのはこれねー。
※Kimberlyさんは、日本語では絶版になったけどAngel Blessingsという有名なカードを作った人。
日本でもヒルデガルトは人気ですが、どちらかというと彼女の実学的な部分(ハーブや宝石など)に注目がされていますよね。私が以前『四気質の治療学』の翻訳でご一緒させていただいた豊泉さん経由でたくさんのヒルデガルト療法が翻訳されています。
ところが私の場合、ヒルデガルトとの出会いはいきなり神学書だったんですよ(笑)
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経緯をかなり端折って話すと、大学院修士課程の2年目、私はベルリンで論文を書いていました。でもだんだん進路(博士課程に行くかどうか)に迷いが生じていたんですよね~。あれこれ問題が山積していましたし、なんか今思うとその頃から既にうろんな傾向(笑)が強かったので、アカデミックな枠にとらわれないでもっと自由に探究したいと感じていたのですよねー。
おりしも季節は秋から冬になっていくのでどんどん鬱っぽくなり毎日夜泣いていました。泣きつかれないと寝られないというメンタルの病み具合(笑)しかも住んでいた場所がベルリンの壁があった時代の東西の境目みたいなところで人が亡くなったりしている場所だったので地場がよくなく、何かこうちょっとした憑依っぽいことが起きたりして、デフレスパイラルみたいな状態でどんどん落ちていたときですねー。
そんな或る晩、いつも通り泣いていたら、急にベッドの足元にすごく温かい光を感じたときがあったんです。その光を感じたときになんか直感的に「あ、大丈夫だ」と思えたの。その日は安心して普通に眠りにつくことができたんです。
そこがおそらく転換点であったと思う。
その日から少しずつ元気を取り戻していったある日、読書中にうとうとしていたら、
「道を知れ」
という一言がはっきりと聞こえたのよね。
道・・・。進路のことかな? なんだろそれ? と思いつつ、とりあえずヒントが欲しくて本屋に出かけていったときに見つけたのが、ヒルデガルト・フォン・ビンゲンのSciviasという本。しかもそこに、ドイツ語のサブタイトルとして、
Wisse die Wege (ドイツ語で「道を知れ」という意味)
って書いてあるじゃないですかーー!!!
ちなみに、Sciviasというのはラテン語のSci vias Domini(神への道を知れ)という言葉を縮めたものなのです。
あ、これこれ!と思って買ったものの・・・めっぽう難しい(笑)もともと神学のこともよく分からないし、中世は専門外だったので、半分も理解できませんでしたわ(苦笑)
でも、帰国してから種村さんのヒルデガルトの解説書をを併読したことで色々理解が進みました。
特に私がヒルデガルトのSciviasの中で強烈に強い印象を覚えたのは、地球(ガイア)の自然そのものの中にある、今はまだ完全に発展し切っていないし闇や悪と混然一体となっているけれど、未来において栄光を取り戻すであろう霊的本質(多分それが彼女の言う緑の力「viriditas」の意味するもの)をヒルデガルトが非常に重視したということです。
この時代のキリスト教の伝統では(非常におおざっぱに言うと)身体性と霊性は相反するものとされていましたので、この点でもヒルデガルトはかなり先駆的です。しかも女性ですからね・・・。
あと、Sciviasの中では語られていないのですが、ヒルデガルトは、宝石とルシファーに関する非常に興味深い見解も語っています。これについては別記事で書くねー。