冥王星の「種まき期」とキロン・ケンタウルス族天体との共通点
キロン講座の準備をしていますが、改めて冥王星って、惑星とはいいがたい性質を持つ天体なんだなあと思っています。
惑星とは何か?というのは定義がいろいろできるかと思いますが、1つ重要な特徴として、ある惑星の軌道は他の惑星の軌道とは決して交わらないというルールがあります。
その理由は、惑星同士の間には、惑星のスフィア(sphere)が存在しているからです。
たとえば、木星領域と表現した場合、火星の軌道と土星の軌道の間の領域が木星の領域になります。
この惑星のスフィア(領域)は惑星同士互いに決して侵してはならない領域とされており、秩序立てられているわけです。
これが、旧太陽系というか、土星までの惑星しかなかった時代の太陽系の常識でした。
そういう観点から見ると、太陽系の「惑星」にはない質を持っているのが冥王星です。※厳密には準惑星ですが。
なぜなら、冥王星は定期的に海王星の軌道の内側に入り込むからなのですね。
このように冥王星が海王星の軌道に入り込む時期のことを、ルディアは種まき期と呼びました。
直近では、1979年2月7日~1999年2月11日のおよそ20年間にこの冥王星の種まき期がありました。
この時期というのは、太陽系の中に外宇宙からの影響が入り込む時期だと考えられています。
そして、このように惑星の軌道の中に入り込む性質を持っているのは、キロンとケンタウルス族天体の特徴でもあります。
キロンとケンタウルス族天体、今回の講座で扱うキロン、フォルス、ネッソスはそれぞれ、土星の軌道の内側に定期的に入り込むという性質があります。
冥王星、キロン、ケンタウルス族天体は、本質的に太陽系のもともとの秩序の中にはない、よそ者であり、彗星的な存在であるということが言えます。
なぜなら、彗星も他の惑星の軌道を侵犯しつつ太陽系に新しい衝動をもたらすからです。
キロンとケンタウルス族天体、調べれば調べるほど結構面白く、単に〇〇座のキロン、というような解釈だけではなく、こうした軌道の性質を理解することで、自分のキロンの特質が分かるよな~と思います。
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