龍を殺す文化、龍を独占する文化、龍を解放する文化。西洋、東洋、日本における龍の扱いと女神の力
実は、リリス講座をリリースする直前に、いきなりスライドを間違って全部削除する大事件がありました(笑)
でもこれ、とても良いことで(意味があることで)、改めて自分の思考を展開していくときに、月の遠地点と近地点の両方を取り入れるようにというインスピレーションが来たり、イシュタルの神話を再考したりすることになって、結果として講座は私の当初の思惑を超える方向性へと発展しています。
それもこれも、ブルーロータス(睡蓮)の精油を手に入れてからのことです・・・(笑)
実は、私自身が最近読んだ本で、「龍」に関するテーマをダイレクトに扱っている本があったんです。
それが、マルコ・ポガチニクという、ヨーロッパの人智学系の人の間で結構有名なスロヴェニアの芸術家(大地にモニュメントや石碑を作ることで大地のエネルギーを調整するアーティスト)の人の本です。彼は最近ユネスコの平和に貢献するアーティストとしても選ばれていますので、結構有名なんじゃないかなー。
ところで、ヨーロッパ(西洋)の文化において、龍(ドラゴン)というのは、常に駆逐されるべきもの・悪しきものです。ミカエルの神話しかり、聖書の黙示録しかり。
ところが、アーティストであり希代のジオマンサーでもあるマルコ・ポガチニクは、ここ最近、ヨーロッパにおいてもドラゴンのエネルギーが復活しつつあるということを感じ取り、内なる龍を目覚めさせるための様々なリチュアルやワークショップをやっているんですって。
たとえば、スイスのバーゼルという街がありますが、その名の由来になっているのはBasilikumといって、有翼の龍です。この土地のエネルギーのおおもとにに龍のエネルギーがあるのですが、それをいわばキリスト教化することで(龍をいったん殺すことで)バーゼルという街は作られています。
(南米の植民地でも同様のことが行われていますね。土地の聖地を収奪して、その上にキリスト教の教会を作る。一種の封印と言ってもよいでしょう)
一方、中国や華僑の考えについていうと、龍のエネルギーは利用するものです。しかも、土地の有力者が最も都合よく利用するものと考えています。
以前、下の風水の本を読んでいてなるほど!と思ったのですが、中国では龍穴とか龍脈のエネルギーが強い場所は、特定の一族のお墓を作ってそのエネルギーを支配者が占有するという形をとることが多いようです。
しかし、日本では中国のようなかたちで龍のエネルギーを「占有」することはなかった。その代わりに神社を作り、気が村落を巡るようにしたわけです。これによって、良い気が大地全体に流れ、田畑に流れていってそこに龍のエネルギーが入るようにしたのだと。
これが、日本の五穀豊穣の由来です。
昔書いた上の記事からの引用。
もともと風水では、龍穴といって自然界の精霊が出現しやすいパワースポットを重視し、そこからの「気」を受け取ることで開運するという思想があります。
日本の神社(氏神社)は、こうした龍穴の場所に建てられています。
台湾や中国では、主に皇帝や権力者が風水師に命じて龍穴を見つけます。アジア古来からの風水では、こうした見つけた「龍穴」に自家や一族の墓を建てて子孫の繁栄を願いました。
しかし、日本では、「龍穴」を見つけても墓を建てて特定の一族が「気」を独占することはしませんでした。「龍穴」を見つけると神社(氏神社)をつくり、「龍穴」から出てくる気を村や畑に分けることで、五穀豊穣、人々の幸福・開運・繁栄を祈りました。
このような形で神気が広く行き渡るように造られてきた日本では、穀類は神気を帯びており、精霊や神の宿る開運効果のある食べ物、神器となります。
そのため、五穀を使って風水調整をする場合は、国産の五穀を用いるのが望ましいと言われています。
ヨーロッパでは、龍の力を公共のものにするために、一度龍を殺してしまうことで、その力を利用する特定の者たちが生まれることを否定した(これが、大地のエレメンタルとワークする魔女たちの弾圧ともつながってきます)。
中国では、徳のある者(実際がどうであれ)がこの龍の力を占有することで、その者が良き政治を行うことを肯定した。
しかし日本は、この龍に対する扱い方が、他の国々とは全く違っているように感じています。
それは、東洋的とも西洋的ともいえない、その両方を見ているような、第三者的なポジションです。
日本は、アジアの一国なのですが、同時にヨーロッパ的な側面もある、不思議な国だと思っています。そのため、東西の霊性が出会う場所としてまたとない好都合な精神風土があると思っているのですが、それが「龍」に関する扱い方において最も顕著に表れているように感じます。
なぜかというと、日本という国の立地そのものが、非常に難しい立地の上にあるからです。
シュタイナー系の人の間では有名な話ですが、地球は実は四面体の形をしていて、底辺から延びる三角形の3つのラインがつなぎ合わせられる頂点に日本が存在していると言われています。
そして、3つのラインに沿って火山が存在していて、太陽のエネルギーに感応して火山噴火や地震が起きると考えているのです。
ちなみに、四面体の底辺側はヨーロッパなので、基本的にヨーロッパは地震や火山は少ないんですよね。
ちなみに、私は20代のころにドイツ人の会社で働いていて会社で3.11を経験していますが、ドイツ人たちがものすごいパニックになっていたのを今でも思い出します。日本人は地震や噴火などの災害に慣れていますが、こういう地震に対する耐性がない人達なのですよ、ヨーロッパ人って・・・。※余談ですが韓国もあまり地震がないらしく、同僚や知人は日本の地震を怖がっていますね・・・。
火山というのは、地球の内部にある龍のエネルギーの化身です。
そういう意味でいうと日本はやはり龍の国なんですよね。
龍を撃ち殺す神話が残っているヨーロッパ、龍の力を利用する神話が残っているアジア諸国とも違って、日本自体が龍という感じがするのです。
撃ち殺すことも、利用することも難しい龍とどう付き合うか。
この龍の力って、そう簡単に制御できるものではありませんよね。
だからそのために女神というエネルギーが存在していると思っています。女神というか・・・熾天使(セラフィム)的な非常に高次元の女性性ですね。それは、いざとなったら犠牲を行うことのできる非常に強い愛を持っている存在です。
たとえば、日本の弁才天のエネルギーは、インドのおおもとのサラスヴァティとは違っていると思います。
日本の弁才天は、龍を乗りこなすということを一つのテーマにしている女神なんですよね。
その意味では、騎龍観音の表現ともつながってくる。
で、龍というのは、非常に大きな苦しみを抱えているということを本来は理解しなければならないと思っています。なぜかというと、龍の膨大な力の根源にあるのは、この世の(満たしても満たしても満たされない)欲望の集結だから。これが、江ノ島やその他の弁才天の聖地によくある洞窟の中に存在しているエネルギーです。
だから(特に日本の)龍は、人の欲望にとても敏感なのですよね。この龍をなだめて解放するには、清らかな女神の力が必要。
災害を与える龍に対しての人柱の供儀というのは昔から日本各地に残っていますが、だいたいそこでは、龍神に若い女性をささげるという伝承が残っていることが多く、おそらくこのこと(龍と女神の関係性)を古代の人が本能的に知っていたのだと思います。
で。
日本はその気になれば多分、色々な意味ですごいパワーを持って世界を支配するようなことができる国だと思うのですが、それは日本には(役割上)ゆるされていない。というか、中国やヨーロッパがやるような形で龍に接すると、自爆する可能性が高い国なのでしょう。
なぜなら、日本という国に世界中の龍脈が集まっているから、エネルギーをリリースして他所に押し付けることができないからです。
・・・話が壮大になってしまったので、いったん占星術の話に戻しますが、龍というテーマをダイレクトに扱う占星術の技法は言うまでもなくドラゴンヘッド・ドラゴンテイルです。
それに対して、この龍的な力と関係する女神の力を扱うのは、月の遠地点(そしてそのペアにある月の近地点)なのではないかと私は感じているのです。
※もちろん、ある意味では金星的なの女神の力ともいえますが、よりダイレクトに地球という星の進化史の観点から見ると、リリスとの関りでこのように表現できると思っています。
リリスはlotus(蓮)と関わるというインスピレーションが来て、蓮の花について調べれば調べるほど、まさにリリス的なテーマと関わっていると感じます。
まだ10年前、私自身が若かったころは、ブルーロータス(睡蓮)の精油の泥臭さが嫌いでしたが、実際のところブルーロータス(そしてリリス)の本質は、水上で可憐に咲いている花の部分だけではなく泥の中にも着地しようとする土っぽさも合わせて考える必要があるということです。
※だから月の近地点のテーマも今回のリリス講座に盛り込んだ。
思えば、リリスと関係するイシュタルは冥界下りも経験していますし、決してふわふわと天使的なあるいは妖精的な存在ではないのですよね。
そういうわけで、地球(ガイア)という存在の女神性について知るという意味では、リリスは金星などとはまた違うけれど深遠な意味を私たちに教えてくれるポイントだと思っています。
そして、龍と女神(ドラゴンヘッド・ドラゴンテイルと月の遠地点・近地点)の4つの柱をきちんと自分の中で制したときに、私たちは地上の天国というものを実現できるのかもしれません。
ちなみに、私にとってこの話は自分の屋号(月を平和にする)とも関わるテーマなのだなと、改めて感じています。
・・・というわけで、リリス講座はこちらからお申込いただけます。