占星術コラム

水瓶座流星群極大~5月6日、新しい叡智に満たされる物質主義

高橋ともえ

5月6日水瓶座流星群(水瓶座イータ(η)流星群)が極大になります。水瓶座流星群の中でもη流星群は、4月中旬から5月下旬にかけて活発になり、5月6日ごろに極大を迎えます。

水瓶座流星群の中でもη流星群は、母星がハレー彗星です。ハレー彗星は約75年に1回地球に接近する彗星で、ちょうど17世紀末~観測されるようになりました。(余談ですが夏に見られる水瓶座流星群はデルタ(δ)流星群で、こちらはマックホルツ彗星が母体です)

シュタイナーによると、ハレー彗星はヨーロッパに啓蒙思想を準備するためのものだったそうで、物質主義的な思想を地球にもたらすという役割があるようです。そして、17世紀~19世紀にかけてやってきたハレー彗星、特に1811年ごろに到来したハレー彗星は、ヨーロッパに唯物論的な思考をもたらすという役割があったそうです。

このようなハレー彗星を母体とし、水瓶座の領域から発せられる水瓶座イータ流星群は、毎年トロピカルゾディアックで太陽が牡牛座に入る季節に極大を迎えます。

これは、物質世界との関りが最も深く特に地球という場(物質としての地球)に密接に結びついている牡牛座を、完全に物質的でありながら天界の叡智に満たされた未来の愛ある叡智の時代の到来と関係している水瓶座がバージョンアップするという構図です。流星群は太陽系を超える、太陽系の外からもたらされるより高次の意識の拡大です。

つまり、この水瓶座イータ流星群の時期に起きているのは、水瓶座流星群が牡牛座に象徴される物質主義の意味をバージョンアップさせていくということ。

一方、太陽系の次元において2021年においては、水瓶座の土星と牡牛座の天王星という組み合わせが3回にわたって繰り返されます。

この牡牛座天王星と水瓶座土星のスクエアが示しているのは、水瓶座の平等意識にとって盲点になりがちな、牡牛座が象徴する自己価値や才能という豊かさ(の源)につながることで、ない・足りないという次元の低い平等意識を破壊し、それぞれの才能や価値がそれぞれの在り方にマッチした形で認められる本当の公正さへとシフトアップすることです。

あるサインに存在する天体が、そのサインの支配星からスクエアのエネルギーを受け取るときというのは、そのサインにとって「盲点」になっている要素を取り入れてバージョンアップするときだからです。

※以前、日蝕月蝕の分析でこんな記事を書きました。

2019年1月21日の皆既月蝕が与える今後の影響~足りないという気持ちから逆算する偽りの平等を手放して2020年以降の「風の時代」に活きる新しい未来の豊かさのための創造的価値に目覚めるとき月食・日食が生じた星座(サイン)の度数は、トランジット天体の通過によって刺激され活性化したり、成熟化・完了化が進んだりすると言われていま...

そこから引用すると、

多くの人が不平等を感じるときというのは、必ず豊かさと結びついています。これまでに起きた革命は、ほぼすべて豊かさの不平等な分配に起因しています。

たとえば表面的なレベルで見ると、カルロス・ゴーン氏のような企業のトップと言われている人たちが巨額の報酬をもらう一方で、日本の労働者の賃金水準が低く抑えられていることを見て、今の時代は格差社会であり、不平等だと考えることもできます。だからこそ、持っている人たちから「取り上げて」、持っていない人たちへ「配る」という論調が高まっています。

しかしこの旧来の革命的なやり方は、足りないという間違った前提から逆算された偽りの平等であり、自分は持たざるものだという自己価値を強化してしまう方向性に流れるので、実は今ここで牡牛座の天王星が切り開こうとしている未来の豊かさの流れとは少し違うものなのです。

牡牛座天王星と水瓶座天体とのスクエアが示しているのは、水瓶座の平等意識にとって盲点になりがちな、牡牛座が象徴する自己価値や才能という豊かさ(の源)につながることで、ない・足りないという次元の低い平等意識を破壊し、それぞれの才能や価値がそれぞれの在り方にマッチした形で認められる本当の公正さへとシフトアップすることです。

あるサインに存在する天体が、そのサインの支配星からスクエアのエネルギーを受け取るときというのは、そのサインにとって「盲点」になっている要素を取り入れてバージョンアップするときだからです。

天王星は、牡牛座的な豊かさが「お金」「資本」という極めて限定的なものではない、ということを教えるために牡牛座に入り、限定された条件の範囲で平等を考えている水瓶座天体にスクエアという異議申し立てのエネルギーを投げかけ、水瓶座意識時代をアップデートさせようとしています。

たとえば、ここ最近の新しい経済の流れの中では、既存の構造ではなかなか日の目を見なかった人や、価値がないとジャッジされていた人たち、旧来の価値観では富を握ることはできないと言われていたような不利な条件の人たちが、新しいメディアやシステムの中で、上手に自分の価値を表現してお金に変えたり、小さな創造をして村的なコミュニティを作ってその中で経済を回していたりします。このような世界の中では、旧来の「お金」(日本銀行券)ナシでもほぼ生活を成り立たせることができるようになっています。

また、さまざまな暗号通貨の登場から分かるように、複数の経済圏が同時多発的に生まれており、旧来の「お金」以外の価値体系が生まれています。

・・・まさにこの天王星が牡牛座に入り旧来の水瓶座意識を破壊しながら作り変えていくという(天王星牡牛座x土星水瓶座スクエアの)フェーズがやってきます。

自分には創造できないという無力感を強化する平等意識は、どこまでいっても怒りと停滞と無関心しか生みません。しかし、自分には創造できるという意欲を支える公正意識は、根底からの喜びと安心感と豊かさを生み出します。

...足りないという気持ちから逆算する偽りの平等を手放して2020年以降の「風の時代」に活きる新しい未来の豊かさのための創造的価値の目覚めにつながるのです。

恒星次元では、水瓶座イータ流星群によって牡牛座的な物質主義が天界の叡智に満たされます。

そして、そのようにして変容した牡牛座の領域に今滞在する天王星は、太陽系の次元において水瓶座の低次元の平等意識を破壊し新しい豊かさを伴う公正さへと作り変えているのでしょう。

非常に興味深い季節です。

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高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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