占星術コラム

7月11日木星蠍座で順行へ~洞窟の中の宝物=心からの本音(ハートの真実)こそが豊かさの基盤

高橋ともえ

2018年7月11日、3月から逆行していた蠍座の木星が逆行を終了し、13度付近から順行に戻ります。今回の木星蠍座順行後、木星は11月上旬に射手座に入るまで順行を続けます。この記事では、2017年からおよそ1年にわたって続いた蠍座木星時代の振り返りをしつつ、木星が蠍座に入る・蠍座の木星の意味について書いていきます。

この記事の目次

2018年木星の逆行スケジュールについて

2018年木星は、3月から7月のおよそ4ヶ月にわたって逆行をしました。詳しいスケジュールはこちらです。

2018年木星逆行

木星が蠍座に入るとは? 占星術上の意味・解釈

木星はラッキースターとか幸運の星と呼ばれ、金運とか財運UPなどの効果をもたらすと言われていますが、本来の意味は真実・真理やそれらと結びつく叡智です。インド占星術では木星はグル(先生、導師、教師)の星と言われています。
このような意味を持つ木星が豊かさであるということは、真の豊かさは(宇宙的・精神的)真実と結びついている、ということを教えているのではないでしょうか。

蠍座は、対向サインの牡牛座と並んで「お金」と関連の深いサインだと言われています。牡牛座が物理的な豊かさや自分自身の力や資源で稼いだお金や実績、実体経済に関わるとしたら、蠍座の場合はいわゆる資産や遺産、自分以外の力や資源から贈与されたお金、金融経済に関わると言われています。

蠍座は、普段は目に見えない世界と関わります。魚座的な目に見えない世界が宇宙であるとしたら、蠍座的な目に見えない世界は、普段の私達を支えているけれど目に見えない「下」にある世界と深く関わります。

そのため、蠍座は、一般的に世間からは隠されているものや秘密とされているものを司ると言われていますが、広く潜在意識や無意識であると考えるとイメージしやすいと思います。つまり、普段抑圧していたり見ないことにしているものとしての潜在意識です。

蠍座はごまかしが効かない、嘘が通用しない、というイメージをもたれやすいサインですが、この蠍座の質は、普段隠している本音に向けられていると思って良いでしょう。

以上をまとめると、蠍座に木星が入るということは、とても表面的に見ると、お金持ちのパートナーと結婚したとか、遺産が転がり込むとか、株や金融商品の投資で一山当てる、みたいなことも含まれますが、より深いレベルでは、私達が普段見ていない・見ようとしていない潜在意識や無意識の次元に真実の光があたるということ。そしてその結果そこから豊かさが広がるということを意味していると思います。

そのため、蠍座を木星が運行すると、自分の本音と結びついていない豊かさからの解放・解除が始まることがあります。人によっては、蠍座の木星効果で失職したり収入が減ったり売上が下がったりする可能性があるということです。これは、表面的に見るととても不思議かもしれませんが、蠍座の木星が目指すのは、本音と結びつく真の豊かさですので、真実の豊かさ以外から人を解放する可能性もあるということです。

たとえば、MC蠍座で木星がトランジットした人がいて、その人が本来の自分の天職と違うことを仕事にしていた場合、職場から解雇されるという可能性もあるということです。それは3次元的には喪失・損失ですが、潜在意識的には大きな喜びかもしれません。

蠍座で木星が逆行すると? 占星術上の意味・解釈

さて、2018年3月から、木星蠍座が約4ヶ月間逆行していました。

逆行のアーキタイプ(意味・象徴)について、進化占星術では「逆行する天体が持つ通常の意味や象徴に疑問を突きつけることで、より深いレベルでその天体の意味や象徴を理解しようとする衝動」だと考えます。そのため天体が逆行するときは、通常よりも内省的な現れ方や、通常とは違う現れ方をすると言われています。

この流れで考えると、蠍座木星が逆行すると、たとえば隠していた嘘が暴かれて混乱したり、収入や遺産が減少するようなこともあり得るでしょうが、それをきっかけとして、より深遠なレベルでの自分の真実につながり、本当の心からの本音に結びついた基盤のしっかりした豊かさを得るチャンスが得られるとも考えられます。

たとえば、会社から解雇されて田舎の実家に帰らざるを得なくなり、家業の農業を受け継ぐことになったけど、やってみたら意外と面白くて自分にあっていた、みたいな現象はいかにも蠍座木星逆行的な具体例かなと思います。

イメージとしては、洞窟に宝探しに行く、というのが木星蠍座の逆行です。洞窟はちょっと怖いところだし、化物も住んでいそうだけど、かけがえのない宝石や財宝が眠っているところ。まさにそんな感じです。ここでいう洞窟は、私達の潜在意識への入り口です。

蠍座木星が順行に戻り、秋(2018年11月8日)には射手座へ~

蠍座は、自分の心を入り口にして、自分の中にある真実につながるサインです。木星がこのサインを通過したことで、「人から見ていかにもリッチなもの、素晴らしいもの」を手放したり、そういうものへの執着心が薄れた人も多いでしょう。そのかわりに、自分が本当に気持ち良いと思う快楽や感覚(本音)に根ざした豊かさだけが欲しいと思うようになった人も多いでしょう。

これから、それぞれの人の真実(蠍座)をしっかりキープした木星は、宇宙の真理(射手座)に向かっていきます。射手座的な真理は、蠍座的な個々人のかけがえのない無数の真実から成り立っています。自分の本音も分からない人が、宇宙の真理を語ることはできないということが、蠍座から射手座への木星トランジットの流れです。

これからあと4ヶ月、蠍座木星時代の最後の順行期間は、より一層深いレベルで心の本音(ハートの真実)につながることが、豊かさの基盤になると言えるでしょう。

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ABOUT ME
高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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