占星術コラム

イシュタルの冥界下りと7つの門。金星と欠けていく三日月のダンス。

高橋ともえ

水星と金星の占星術鑑定のために、古代バビロンの話までさかのぼって金星の象徴を調べていますが、いわゆるイシュタルの冥界下りに関する神話の中で語られていることが、面白いくらい天文現象とシンクロしているということが判明し、興奮しているのでブログ記事でシェアします。

イシュタルの神話の中で、冥界下りというパートがあります。

どういうものかというと、イシュタルが何らかの理由で冥界に下っていくという決意をして冥界に入り、冥界の女王でありイシュタルの姉であるエレシュキガルの死の眼差しによって殺され、冥界の中で3日3晩死んだ後で再び甦るというパートです。

そして、その冥界下りの際に、イシュタルは7つの門をくぐっていくのですが、7つの門をくぐるたびに、それまで彼女が持っていたあらゆる力、美、豊かさを置いていくのですね。

イシュタルの冥界下りは、明けの明星としての金星が、最大光度に達した後で、徐々に光を失い小さくなっていくフェーズに相当しているそうです。

そして、イシュタルが7つの門をくぐるというのは、金星が最大光度に達してから見えなくなるまでの約8か月の間に、欠けていく三日月と7回合になることを意味しているらしいのです・・・!

わーお。

でね。冥界下りの期間を終えた金星は再び明るさを増し、宵の明星としてあらわれ、徐々に光を増していきます。

このときも、明けの明星の時同様に、満ちていく三日月と7回合になって、やがて最大光度に達するのですが、これは神話でイシュタルが、冥界下りの後で自分が置いてきたあらゆる力、美、豊かさを取り戻していくというシーンと重なります。

三日月と金星のペアというのは、昔からすごく意味のあるものとして描かれますよね。イスラムの象徴としての金星と月などもそうですが。

これは、イシュタルの神話と照らし合わせるとめちゃめちゃ意味があるんだなって気づきました。

ちなみに、2022年は1月半ばに金星が宵の明星としてはじめてあらわれ、2022年は2月13日に最大光度に達し、2022年3月20日には西方最大離角となります。2月13日以降、徐々に金星の光は小さくなっていきます。そして、2022年10月3日ごろには見えなくなり、23日に太陽と合(外合)となります。そして、11月25日ごろ、宵の明星として再び姿を現すのですね。

この間の月と金星の動きも含めてみていくとかなり面白そうだなーと思います。

そしてこうした知見は、水星と金星の占星術の鑑定でも取り入れていく予定です。たとえば、同じ金星モーニングスタータイプと言っても、どのフェーズにあるかによってまた全然今世の課題は変わってくるのでしょうね。

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高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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