シュタイナーのカルマ論を読む。起きた出来事を結果ではなく未来を創るための出発点とする。
ここ最近、自分の前世(?)と思われる記憶に向き合う中で、東洋占術(易)の勉強が始まり、時間軸の陰陽についての3つの考え方などを知り、改めてシュタイナーのカルマ論を読んでいます~。
シュタイナーは、自身の数々の業績の中で、一番重要なものは何かと聞かれて、
「カルマ論」
と答えたと言われています。それくらい、シュタイナーにとってカルマ論は重要なのですね。
ところで、カルマって色々な定義ができて、本家本元のインドでもカルマには色々な種類があるわけですが、シュタイナーのカルマ論でとても重要なスタンスというのは、
「人生のある出来事を結果ではなく、原因であると見る(その後に続くより良い未来の出発点としてみる)」
ということなのです。
そういう意味では、シュタイナーのカルマ論は、ものすごくパワフルで前向きであり、建設的なのですね。
人生のある出来事を結果ではなく、原因であると見ることで、私たちは感情を本質的に変化させることができます。人生の出来事を、単なる結果と見るか原因と見るかはどうでもいいことではありません。もちろんつらい出来事が生じた時点では、まだその結果を知ることができませんが、カルマの法則を身につけることができていれば、そのカルマの法則そのものが私たちに次のように語ってくれるでしょう。「今の時点では、この出来事はつらいものであろうし、これまでのことの結果であるとしか思えないであろう。しかしそれを未来への出発点にすることもできるはずだ」「この出発点はいろいろな結果を生じさせるであろう。その結果はこの出来事をまったく別の光の下に照らし出すことになるであろう」と。カルマの法則は、慰めの源泉になりうるのです。
出典:シュタイナーのカルマ論 高橋巌訳
思えばシュタイナーの人生というのも、常に企てが失敗したり、遅延したり、予言が成就しなかったりと、色々なつらい出来事だらけだったわけです。
その最たるものが、第1ゲーテアヌムの焼失という惨事です。でも、この第1ゲーテアヌムの焼失というつらい出来事すらも新しい未来へのきっかけとして、未来への出発点としてとらえて、死ぬ直前まで活動を続けたわけですね。
それでね。
私が今習っている東洋占術では、陰陽論に基づく時間のとらえ方が3パターンがあります。
- 過去=陰、現在=陽:因果の関係
- 未来=陰、過去=陽:因縁の関係
- 未来=陰、現在=陽:縁起の関係
ここで、上2つは運命論的なのですが、3番目の時間の考え方は、唯一「今から未来を変える」「今ここにある兆しから未来を変える」という前向きな思想に基づいているのですね。
この3番目の考え方を「縁を起こす」「縁りて起こす」つまり「縁起」と呼びます。これは、より良いことが起きるであろう兆しを、現在において執り行うことなのです。
この縁起という時間とそれに基づく運命の改変法が、シュタイナーのカルマ論とめっちゃ似ていて鳥肌でした。
というか、シュタイナーって、ものすごく東洋的・仏教的な思想が入っています。たとえば、「悪」についてのシュタイナーの考え方はとても大乗仏教的だと思うことがあります。(この辺りは故・西川隆範先生が研究されていたテーマですが)
だから、シュタイナーについて昨年12月くらいから本格的に取り組み始めたことと、東洋思想や日本の古神道の学びが活性化したことは、私の中では同じ根っこを持つ現象なのですよ。
というわけで・・・いよいよ今年の秋から冬にかけて、この辺りの活動をまとめてリリースしていきますね。