2020年12月21日冬至直後のグレートコンジャンクションを考える その1~グレートコンジャンクションとグレートミューテーション
2020年のハイライトはなんといっても、12月21日の冬至直後(日本だと12月22日)水瓶座0度で起きる木星と土星の合(グレートコンジャンクション)だと思うのですが、色々調べていて面白いなあと思ったことがあり、日本の占星術師さんではあまりこの点に触れていないな、というテーマがあったので、これから何回かに分けてその辺の記事を書いていきます。
まず、グレートコンジャンクションとは、木星と土星が約20年に1回コンジャンクション(合)になるときです。
1781年に天王星が発見されるまでは、木星と土星は太陽系の最も外側の惑星2つでした。その惑星同士が合になるということは、時代が変わるというような意味合いを持っていました。
ラテン語では、グレートコンジャンクションはConjunctio Aurea、「黄金のコンジャンクション」と呼ばれます。
面白い表現ですよね。
さて、20年に1回という頻度での惑星サイクルですので、正直に言って、グレートコンジャンクションそのものは、平均的な人生80年とすると、その中で3~4回くらい体験できるので、割と頻繁な現象ではあります。
冥王星と海王星の周期とかになると数百年スパンですから、それに比べると木星と土星の周期は短いですよね~。
しかし、2020年に起きる今回のグレートコンジャンクションがやたらと騒がれていて、「風の時代」が始まる!等と言われている理由は、このグレートコンジャンクションが、ある一定の法則を持っていることに起因しています。
その一定の法則とは、グレートコンジャンクションは、基本的に約200~240年の間は同じエレメント(火・地・風・水)で繰り返される、ということです。
※上の画像はケプラーのもの。Wikipediaよりお借りしました。
たとえば、1603年からおよそ1782年までのグレートコンジャンクションは、すべて火の星座である牡羊座・獅子座・射手座で起きています。
そして、およそ200~240年に1回、グレートコンジャンクションが起きる星座のエレメントが変わるのですが、
それを、グレートミューテーションと呼びます。
(※なお、上記の1603年~1782年までのグレートコンジャンクションが火の星座で起きたと書きましたが、実は1802年に血の星座である乙女座でのグレートコンジャンクションがあり、1821年に再び火の星座である牡羊座でグレートコンジャンクションが起きています。この1821年までが火の星座でのグレートコンジャンクションだと考える人もいます)
この、グレートコンジャンクションが同一のエレメントで続く200~240年というスパンは非常に長く、時代を区切る上でとても重要なものだと考えられています。
で。
今年、2020年に関して言うと、200~240年に一度のグレートミューテーションが起きて、いよいよ風のエレメントでグレートコンジャンクションが続く「風の時代」の始まり!と言われていますが、実際のところ、1980年/1981年に、既に一度、風の星座である天秤座で、逆行を挟んで3回のグレートコンジャンクションが起きています。
どういうことかというと。。。1800年以降2200年までのグレートコンジャンクションは、
こんな風になアジェンダになっているわけです。
つまり、グレートミューテーションは、いつもスパッといきなり始まるわけではなく、多くの場合、1~2回ほどは前後のエレメントが交じり合う形で起きることが多いということです。
さらにいうと・・・・グレートコンジャンクションが逆行を挟んでトータルで3セット行われるケースもあります。
上の画像でいうと、赤字にした部分がその逆行を挟んだ3回のグレートコンジャンクションです。
この逆行を挟むグレートコンジャンクションは、順行1回、逆行中1回、順行に戻ってから1回というケースになるのですが、この「3回セットのグレートコンジャンクション」は、色々な意味で非常に重要なグレートコンジャンクションであるといえます。
それとは別に、オーブゼロの形での(完全な)グレートコンジャンクションが生じないケースも実はあります。
たとえば、上の表にはありませんが、1821年12月16日のグレートコンジャンクションは、オーブは1度未満ですが完全な形のグレートコンジャンクションではありませんでした。
そんな感じで、色々と細かく観察していくと面白いのがグレートコンジャンクションなのですよね・・・!