モンゴル帝国と風の時代~チベット仏教に影響を受けたシャーマニズムの宗教的寛容が育んだ風通しの良い大家族(イル)観

高橋ともえ

先日より、射手座のタイムラインを振り返っていて、宗教改革の話を書いてみました。

宗教改革の記憶を癒やし、自分の思考を変えていく平和な革命へ~射手座の月のサイクルに思い出したこと今年運リーディングをお申込くださった皆様のために、月の様々なサイクルのお話をお伝えしています。その中でも特に過去の記憶が再生されやすい9...

射手座のテーマとして宗教は欠かせないものですが、宗教にまつわるテーマとしてドグマと寛容というのはあると思います。

※余談ですがアカデミックな世界も射手座ワールドですが、私が見聞する限り、先生が学閥を作って学生の思想統制をしたりすることも一種のドグマですよね。

で。

先日、寡聞にして存じ上げなかったのですが、ビジネスで占星術を活用され、東西占星術を統合する試みをされている柳川隆洸(やながわりゅうこう)さんという方が書いたこちらの「ドラゴンメッセージ」っていう本の中に、モンゴル帝国の話が書いてあってとても面白かったんです。

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※ちなみに柳川さんは、九星気学と12星座を組み合わせた独自のスタイルの占星術を上の本で提唱していて、そちらも興味深い~! 最近欧米でも九星気学と組み合わせた占星術の解釈が広まりつつある気がするので、今後のトレンドですね。

モンゴル帝国は、ちょうど前回の風の時代に大きく領土を広げてユーラシア大陸をほぼ統一することに成功します。従来、主に欧米を中心に遊牧民族=野蛮な侵略者、というイメージが強かったのですが、実像は全くそんなことなく、柳川さん曰く、モンゴル帝国の在り方というのが実に風の時代的であり、モンゴル帝国は風の時代に愛されていたからこそ多くの民族・領土を統一したというのです。

その部分を少し著書から引用させてもらいますね。

モンゴルがモンゴル周辺の高原を統一し、中国に侵攻した後、ユーラシア大陸のほとんどを支配下時代で、歴史的にこれほどの広範囲の支配を実現した国は後にも先にもモンゴル帝国だけです。

あまり知られていませんが、モンゴル帝国がユーラシア大陸を支配していた時代は、よくあるような恐怖政治とはかけ離れていました。

シルクロードを活用して、情報・人・宗教・技術・芸術などがボーダレスに行き交う活発な流通が実現していました。

モンゴル帝国は征服者ではなく「世界を開くもの」と言われるほど、文明も文化も極めて発展した時代でした。

あからさまな人種差別もなく、人に勝る能力があればどんどん用いられました。

個人の能力を重要視した、風通しのよい開かれた帝国だったのです。

また「イル」というのは「仲間」という意味ですが、イルになったものが集まれば人種に関わらず家族のように協力して助け合いました。

このような共同体をあちらこちらで作る文化でもありました。

だからこそ、仲間の命はことさら大切にされていて、死刑の件数は驚くほど少なかったそうです。

(中略)

モンゴル帝国は、なぜこれほどまでに大きな発展をすることができたのか?

それは「時代に愛された」からです。

モンゴル帝国の考え方やあり方が、「風の時代」にすべきこととぴったりと合っていたので、時代の後押しがあって、これほどの発展を実現しました。

これが時代に愛されることのインパクトです。

(中略)

「風の時代」のキーワードは「境界がなくなる」「知識・言語」「横との繋がり」「仲間」「普遍性」「美しさ」などです。

すごいよね・・・!

私は、ヨーロッパのカテドラル運動が極めて前回の風の時代的だと思っていましたが、モンゴル帝国は、そういうカテドラル運動ともエッセンスにおいては通底しているように感じました。

※ちなみに、カテドラル運動のことなどについても2020年12月22日のグレコンからの流れを昨年秋分に配信した動画はこちらー。

当然ですが、人種や民族というのはその基礎に宗教観(世界観)を持っています。モンゴル帝国の宗教政策はとても寛容でした。

宗教面でもモンゴル帝国は大変寛容で、キリスト教、仏教、イスラム教、その他諸々の宗教を人々は自由に信仰できました。モンゴル帝国は民衆の生活を保障するような統治や特定の宗教を重視する政策はしませんでしたが、生活にも干渉をせず、多文化・多人種・多宗教・多言語がそのまま帝国内にあることを認める社会体制でした。

つまり、特定の宗教を優遇することはないけれど、すべての宗教を平等に扱ったということです。

そして、自分でも調べてみたら、モンゴル帝国では、あるとき諸宗教会議というのを開いて様々な宗教の宗教家たちに自分たちの宗教について語らせ、議論させる試みもしているらしい。
これ、すごい画期的なことですよね。20世紀になってからアメリカを中心に起きたペレニアリズムの先取りのような新しさです。

・・・それでね。モンゴル帝国が13世紀になってからいきなりここまで領土を広げて、いきなり多くの諸民族を統合できたのはなぜか?っていう疑問があるわけです。特定の民族がある大躍進をするときには、必ずその民族がそれまで培ってきた精神性の中からエネルギーが汲みだされるので、モンゴル帝国がある種の宗教的寛容をもって世界初の統一国家を作ることができた理由は、多分13世紀までにモンゴル民族につ使われてきた精神性にあるんじゃないかと思ったんですよ。

そう考えていて、思い出したのですが、実はモンゴルと言えば、私の親友でありメンターであるドイツ人の出版エージェントのカーリンが、自分が面倒を見ている著者と一緒に退行催眠したときの過去生を小説仕立てにした本を、2010年にオーストリアで会ったときに献本してもらったってこと!

それが、”Der Mongole”(モンゴル人)というタイトルのこちらの本です。

本の中表紙にこんなコメントをくれているカーリン。

“Fuer Tomoe, die Ost und West so wunderbar in Verbindung bringt!”
(東洋と西洋を実に素晴らしく統合させるともえへ)

・・・まだ、東西の統合というテーマは全然すすんでいないので、こんなコメント書いてもらっていたんだと思うとちょっと泣けるw そして、この本をもらったのはちょうど、2010年5月の射手座満月くらいでしたね!!!やっぱり射手座のタイムラインだ~~

えと、話をこの本の方に戻しますが、ざっくり言うと、カーリンが書いたこのDer Mongoleの本の舞台は、まだチンギスハンとかが出てくるずーっと前、10世紀くらいのモンゴル民族の話です。

当時のモンゴル民族のある男性(相当のワル)が、チベット仏教の教えを受けて、徐々に仏教のエッセンスに開眼していき、共感や慈悲といった仏教的な思想の根幹にある美質を自分の中に培っていくというストーリーです。

13世紀から始まるモンゴル帝国では、諸宗教が平等に扱われていましたが、モンゴル民族自身は、チベット仏教に影響を受けたシャーマニズムを信奉していました。

ここから先書くことは歴史的事実にそれほど基づいていない私の感覚的なものですが、モンゴル民族が前回の風の時代に大帝国としてのし上がっていく過程で、この共感や慈悲という仏教的な質と結びついたシャーマニズム(宗教性)がモンゴル民族の特に支配層の中になければ、あのような諸民族が緩やかに統合される世界的大帝国は成立していなかったのではないかということです。

共感や慈悲というのは、仏教の教えの中にある極めて重要な美質だなと思っていて、これが風の時代には必要になると感じています。

そういう意味でも日本は、とても良い事例を持っている国だと思うのですよね。なぜかというと、仏教の諸流派同士ってそこまで戦争をしないですし、長らく日本は神仏習合の文化を持っていました。

私事で恐縮ですが、婚家はお寺関係の人たちが多いのですが、宗派はそれぞれ違っています。私と主人の結婚式は仏前式で自宅で挙げたんですが、親戚の袈裟を着たお坊さんたちがいっぱい来て、それぞれの宗派のお経を唱えてくれたのが印象的でした。あと、うちの義両親は不思議な話や他の宗教の話全然OK(笑)で、神道を信仰している親戚のおうちのお話を聞きに行ったりすることもあるし、前世話もOKだし、何なら今私がやってる風水調整とかすごくおもしろがって一緒にやってくれるところも好き(笑)

大学時代の彼氏がキリスト教の中でもこの宗派しか認めないっていう強力な信仰者で、そのドグマ的な態度が理解できなくて別れたという側面もあるので、私は今の婚家のこのゆるさと開放感、それでいて皆が結婚式とか法事で集まったときにはパーッと盛り上がれる感じが大好きなんですよね。

家族っていう言葉はいろいろな定義ができると思うのですが、婚家は近江商人で、ビジネスを生き延びさせるということが根幹にある家なので、必ずしも長男が家を継がず、婿養子が継いだり、養子を遠縁から入れたりして継がせています。

多分これからの時代の家族というのは、モンゴル帝国の「イル」的でもあり、近江商人の「家」的でもある、そういう大家族になるんじゃないかと思う。

で。以前、こんな記事をnoteの方で書いたんだけど、福山雅治(水瓶座生まれだね)の歌で「家族」ってあるじゃないですか。

福山雅治の「家族」の歌詞がまさに、風の時代の、特に水瓶座のグレコンサイクル20年の家族観だと思ったの。

どれほど深く信じ合っても
わからないこともあるでしょう
その孤独と寄り添い生きることが
「愛する」ということかもしれないから

そうなの。

愛するって、共通点を見つけてそれをベースにして馴れ合うことじゃあないから。だってそれは、すぐに反感に転じる可能性のある、きわめて程度の低い「好感」に過ぎない。

それぞれの人が個としての輪郭線をはっきりさせていくこれからの風の時代、そして、特に最初の20年の水瓶座グレコンサイクルでは、自分と感性の違う人と一緒に歩んでいく時代。

水瓶座はコミュニティの星座でもあるけれど、次元の低い水瓶座意識は全体主義的な傾向が出てくるので、それこそ理念が違えば内ゲバみたいな恐ろしいことも起こり得る。

だけどそういう時に、うちの婚家の皆さんのような、違うということに深入りせずまるっと受け止めつつ断ち切らない身内感を持つことはとても大切って思う。

そして、そうすると、本当に個性が相並び立てるから。それこそ宗派違っていても大丈夫というね。

個人的には、宗教的寛容ってこれからとても大切だし、それがなければコミュニティは他を排斥するカルト化に向かって自滅していくと思う。

個人的には射手座のムーンサイクルは学びが色々多すぎた! やっぱり1ハウス射手座人間だからかな、アカデミックから宗教から、あれこれ考えさせられることばかりでした。

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ABOUT ME
高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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