レディ・マエストロ~20年前にドイツで見たギリシア人の女性指揮者がアメリカで常任指揮者になったという知らせが嬉しかった件

高橋ともえ

牡羊座シーズンの話の続きです。牡羊座生まれのうちの母のパイオニア性をとても良いものだなと評価出来たことによって、急に思い出したことがあります。それが、20年前にドイツで見たギリシア人の女性指揮者のことです。

私が最初に留学していたとき、ドイツ人のオーボエ奏者(パトリック)の人と一緒にかなりの頻度でクラシックコンサートに行くようになっていました。一緒に行くコンサートは、彼が出るコンサートもあったし、他の人のコンサートもあったのですが、ちょうどこのオーボエ奏者がコンサートに出るコンサートだったんですよね。

※このオーボエ奏者についてはこちらで綴っています。

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で。

そのとある日のコンサートの指揮者が、なんとギリシア人のまだ20代と思われる若い女性だったんですよ・・・!

普段は州立オケの常任指揮者の人がタクトを振るのですが、その日はギリシア人のこの女性が指揮をするということでした。

ちなみに、クラシック音楽界って今でこそ女性の方がプロになる人が多いとか言われており、女性の進出がめちゃくちゃ進んでいますが、つい前まではオーストリアで演奏できるのは男性のみという時代もありました。

芸術の世界は男女差別はないと思いきや、全然そんなことはない。

後に知り合うことになったBはオーストリア人で私の10歳上、つまり50歳ですが、彼女がデビューした30年くらい前はまだまだ保守的なオーストリアのオケでは女性の団員が少なく、彼女がオーストリアの某オケで史上初の女性コンミスになったということで話題になるくらいです。

※バイオリニストのBについてはこちらで綴っています。

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そして、クラシック音楽の中でも、演奏者としては女性の進出は進みましたが、まだまだジェンダーバイアスがかなりかかっていた(2021年現在でもまだその傾向は続く)のが指揮者というポジションです。

指揮者というのは、リーダーシップ発揮してオケをまとめるという役割なので、男性性の部分を強く期待されます。そして、多くの場合、指揮者が一種の専制君主的に引っ張っていくというスタイルが主流でしたね。

で、ギリシア人の女性指揮者の彼女が登壇すると、少し客席がざわつきましたね。団員には女性も多いけど、指揮者で女性って初めて見た、という人も多いわけです。私自身も彼女に目が釘付けになりました。

ギリシア人の女性指揮者は、本当に典型的なギリシア顔というか、黒いウェーブした髪を後ろできちっとまとめて、パリッとした燕尾服を着て登壇しました。この時点でもかなりかっこよかったのですが、指揮を始めたらもー、オーケストラのまとまり方が全然違うの。

普段の男性の指揮者の演奏では、どちらかというと団員が指揮者の求心力に心を寄せていって一つになるという感じの専制君主的な指揮スタイルが多いです。

ところがギリシア人の彼女の指揮では、「今はオーボエに注目して」「今はクラリネットの番」というように、言葉にはしていないけれど、曲のハイライトのパートに他の団員の意識をそちらに振り向けていき、結果として皆が際立てるべきパートに合わせて自然と調和していくようなそういう感じがしました。

それは、素人の私でも分かるくらい、素晴らしい指揮で。同じオケでも、指揮する人が違えばここまで違うんだ!!とびっくりしました。トップに立つ人によって、何事も変わるんだなと感じました。

それはそれは素晴らしいコンサートで、終わったときは拍手喝采、スタンディングオベーションでしたね。

そして、ギリシア人の女性指揮者は、オーボエで重要なパートを担っていた団員一人一人を立たせて讃えたんですけど、そこでパトリックも立たされていてすっごい嬉しそうでした。

で、その日のコンサートの帰りにパトリックとこの女性指揮者の話をしたのですが、彼が一言、

「Sie ist begabt.(彼女には才能がある)」

と言っていたのが強烈に印象に残っています。

ただ、女性に限らず指揮者としてオケの常任指揮者になるのは狭き門だから、彼女がどこかのオケで常任指揮者になるのは難しいのかもねーとは言っていました。

そう、そのことを思い出して、改めてネットでこのギリシア人の女性指揮者のことを調べてみたんですよ。

そうしたら、このギリシア人の女性指揮者が、2021年からアメリカのある州のオケの常任指揮者になるというニュースがヒットしたの。

お花を手にしてすっごく嬉しそうな顔で写真に写っている彼女を見て、なんだかものすごく幸せな気持ちになりました。夢を叶えたパイオニアウーマンですよ。

で、その流れで、オランダ系のアメリカ移民で、ベルリンフィルで初めて指揮をした女性指揮者のアントニア・ブリコの伝記的な映画を昨晩見ました。

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これがねー!!

たった100年ほど前とは思えないくらい旧態依然としたクラシック音楽界で、女性指揮者はおろか女性が演奏者としてもクラシック音楽の舞台に立つ道が閉ざされていたときに、貧しい移民なのに諦めずに指揮者になる道を進んだというまさに牡羊座的なパイオニア性を感じさせる良い映画でした。

この映画は2018年のものですが、2021年のバイロイト音楽祭では初めて女性の指揮者が登壇しますし、これから先女性の指揮者がどんどん活躍する時代が来るんだろうと思います。

そして、私がアントニア・ブリコや、知人のオーストリア人のバイオリニストのBや、ギリシア人の女性指揮者から感じるパワーっていうのは、セラフィム(熾天使)的な情熱ですね。

※セラフィムについてはこちらで綴っています。

雷と火山とセラフィム、そしてマグダラのマリアとコノハナノサクヤヒメ今、シュタイナーの天使論を読んでいますが、天使の中でも最も高位の存在であるセラフィムについての話が面白く、マグダラのマリアとも関連してい...

こういうものが、自分の中に眠っている質なのだと思い出すのにふさわしい牡羊座太陽期。

自分の中にある牡羊座的なパイオニア性を表現してみる時期ですね。

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星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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