シュタイナーが、出生チャートよりも死のチャートを重視したのはなぜか?
ここ最近占星術の中でも100年前のドイツ占星術や、そしてその流れでもう一度シュタイナーの星に関する言説を見直したりしています。
※今改めてエバーティン先生のミッドポイント(ハーフサム)を研究中。原著ドイツ語よw
20世紀初頭、ドイツでは緻密な理論に基づいた占星術の大家や流派がたくさん出ました。最も有名なのはエバーティンですが、ヴィッテなどハンブルク派の占星術師も有名ですね。ちなみに、エバーティンはお母さんも占星術師でした。当時としては珍しい女性の占星術師です。
さて。
私がここ最近ずーっと考えているのが、シュタイナーがElisabeth Vreedeさんなどアントロポゾフィーの天文関係の弟子たちに語った、
「誕生のチャート(ホロスコープ)よりも死のチャート(ホロスコープ)の方がその人にとって重要である」
という言葉です。
なぜ、生まれたときのチャートよりも、死ぬときのチャートが大切なのか。
そこには、まずシュタイナーの星に関する時代意識があります。
つまり、「星が人に語りかける時代から、人が星に語りかける時代へ」という変化ですね。
シュタイナーの考えだと、これからの時代、人は一方的に星からの指示に従って生きる存在ではなく、むしろこの地上での生の結果を星の世界へ持ち帰る星の共同創造者になっていく、というのです。
そして、だからこそ、私たちの地上の生の結果である死のチャートは、天界が待ちわびている貴重な実りなのだということです。
※念のため、こういう時代意識観を持つかどうかは一人一人に委ねられているものであり、絶対的なものではありません。世界観や哲学が変わればものの見方も変わるからです。
今、自分の占星術の講座に何という名前を付けるか思案しているのですが、そこで第一候補になったのがゲーテ的な意味での「メタモルフォーゼの占星術」ですね。
でもこれが具体的に何を言わんとしているかというところまでは言語化できなかった。
それを、今こちらの本を読みながら、「ああそうだ、誕生から死へ向かって、星の世界から持ってきた出生のホロスコープのエネルギーを種として育てながら、最終的には死の瞬間に星の世界に向かって地球の花を咲かせるというのがメタモルフォーゼだな」と思ったんですね。
シュタイナー自身は、占星術に対してあまり突っ込んだことは語っていませんが、アルビノの子どものチャートリーディングなど、実はホロスコープを結構見ていたと言われています。
まあ、100年前の占星術はまだまだ発展途上でしたものね。コンピュータもありませんからエフェメリスの精度も低いですし。そしてシュタイナー自身が納得のいくような新しい時代の占星術は不可能だった。。
なぜなら、この当時ドイツをはじめとするヨーロッパでは転生という概念自体がほぼ存在しなかったからですね。
シュタイナーの公式な講演録には残っていませんが、ある弟子筋に対して、シュタイナーは、「占星術は、やっと次の時代に最高潮に達することになる偉大な学問であり、占星術を完全に表現するためには、アントロポゾフィーやそれ以外の要素によってまだまだ拡充される必要がある」と語ったそうです。
・・・で、Astrosophy系の人たちが、受胎チャートを重視するのは、前回の人生の形跡が受胎チャートに残されていて、それがまるでシルクスクリーンの重ね刷りのように今回の人生にも影響を与えるからなのですが、転生という概念そのものがまだまだ当たり前ではなかった100年前のヨーロッパでシュタイナーが考えるような占星術を追求するのは難しかったのでしょう。
・・・話が脱線しましたが(笑)、私は最近細かい未来予測の技法をゴリゴリ研究しています。こういうのはエバーティンはじめドイツ語圏の占星術師が結構得意なんですよね。
※月のリズムを使うターシャリープログレッションもその一環。2023年3月のドイツの占星術雑誌Meridianで特集されていたw
でね、シュタイナーとかアントロポゾフィーとかスピ系占星術の人たちが一見嫌いそうなw「当てに行く」ようなゴリゴリの未来予測の技法を研究している理由は、こういう壮大な哲学や世界観を持っている占星術をふわふわした精神論で終わらせないために、人生をよりよく生きて、自分の星を育てて、やがて死の瞬間に星の世界に自分だけの地上の経験に基づく花を咲かせるために必要だと思っているからなのですよ。
というわけで・・・やっぱり体系的な星の講座はまだもう少しリリースまで時間かかるかなあ・・・。
まずは今年は星読み風水のセッションを提供しながら、しっかり練り込んでいきますわ~。
あ。ミッドポイントの講座開催しようかと思ってるよw かなりゴリゴリとやるつもりなのですが、ミッドポイントは難しいようでそれほど難しくはないというか、最初は情報量多いなと思うけど日々の計画を立てるうえで活用できる度合いが高いので、ぜひ初心者でも気軽に受けて欲しいな~。
とりあえずこちらにご案内フォーム置いておきますので、気になる方は登録しておいてくださいね。