3つのリリスを出生図で解釈する~内なる野生(創造性)の源泉・傷・活かし方
占星術のリリスには3つのリリスがあり、それぞれ意味が異なるという話や、月の遠地点としてのブラックムーンリリスを、バイオダイナミック農法の月の遠地点の研究から解釈した話などをこれまで書いてきました。この記事では、実際の出生図(私のホロスコープ)に基づいて、3つのリリスの読み方・解釈を説明していこうと思います。
ちなみに、3つのリリスとは、
- 小惑星リリス
- ダークムーンリリス
- ブラックムーンリリス(トゥルー)
のことになります。それぞれのリリスの調べ方や出し方(無料)や一般的な意味については以下の関連記事を参考にしてください。
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この記事の目次
3つのリリスを解釈する~ステップ1:小惑星リリスを読む
3つのリリスを解釈する最初のスタートは、小惑星リリスのリーディングです。小惑星リリスは、原初の創造のエネルギー、傷のない女性的な野生のパワーです。
小惑星リリスが入るサイン・ハウスは、その人が人生の中で生来持っている創造性を刺激されるポイントです。
小惑星リリスが射手座・1ハウスというと、イメージとしては、アニメのナウシカのような存在でしょうか? 1ハウスに天体が入ると、その人物がそのままその天体を体現するような動き方をしますが、射手座のリリスは、ワイルドで冒険好き、真理の探究心のある少女という感じです。
サビアンシンボルで読むと、射手座28度で、「美しい川にかけられた古い橋」です。社会やコミュニティに役立つ形で使われる普遍的な存在。橋ですので、人々を下から支えるような存在。こういったものが、私の内なる原初の性のパワー、小惑星リリスの在り方のようです。
3つのリリスを解釈する~ステップ2:ダークムーンリリスを読む
次に、ダークムーンリリスをリーディングします。ダークムーンリリスは、その人のチャートの中で、性的なエネルギーや創造性に関しての傷やトラウマ、人間の最もダークな動物的で残酷な衝動の体験(被害者・加害者・当事者)を指し示す場所です。
3つのリリスを読んでいく上で、このダークムーンリリスは主に過去生と言ってよいほど古い時代の記憶に相当すると感じています。たとえば、「なぜか分からないがついカッとして殺してしまった」「なぜか分からないが残酷な事件の被害者になってしまった」というような、理由がはっきりしない出来事などに関わるように感じます。
※今生の傷は次に説明するブラックムーンリリスの側に強く出るように思います。
性的エネルギー(ダークムーンリリス)を自分の体を使って行う(牡牛座)奴隷的な仕事を強要され、そのことに劣等感を持ったり尊厳を傷つけられた(6ハウス)、そしてその仕事は、他人の癒やしにはなったけれど自分を癒やすものではない(キロン)。そこんな過去の傷がありそうです。
実は昔、罌粟(けし)の花の存在につながったとき、私自身の古い古い記憶の中に、ジッグラドなどが作られていた時代、罌粟(けし)の花を使って、戦争で傷ついた兵士たちの痛みを和らげ癒やす女性(おそらく一部には売春的な仕事も入っていたと思われる)であったという記憶があります。高級な神聖娼婦とかではなくて、名もなき底辺の奴隷という感じで、どっかの村から身売りされたか強制連行されたような気がします。
ちなみに、ダークムーンリリスのサビアンシンボルは牡牛座の10度で、「赤十字の看護婦」。そのまんまの過去生だとびっくりしました。ナイチンゲール度数と言われていますが、ナイチンゲール以前の過去の従軍看護婦は、色々と身の危険の多い大変な仕事であったわけです。
6ハウスは、他の天体が入っているかどうかなどの状態によっても変わりますが、自分自身を一段低くして奉仕するという場所なので、そこにダークムーンリリスが入ると、そうした立ち位置に無理やりされた、奴隷的な体験、屈辱的な体験をした、という出方をしそうです。牡牛座サインですのでそれがダイレクトに体に対して傷になりえるということです。
また、当然ですが、被害者も加害者もないので、こういった形で他人や他の存在を搾取的に使っていた過去生も当然あります。アラブの男性だった過去生で、女性(妻)を何人もはべらせて暴君のように振る舞っていたという記憶もあります。
3つのリリスを解釈する~ステップ3:ブラックムーンリリス(トゥルー)=月の遠地点を読む
最後に読むのが、ブラックムーンリリスです。※通常の占星術ソフトや無料オンライン計算サイトでは、ミーン値のブラックムーンリリスになっていますが、私の解釈ではトゥルー値、つまり月の遠地点としてのリリスを使っています。
ブラックムーンリリスは、自分が自分の内なる野生のパワーを使ったり表現することを最も恐れている部分でもあり、それを乗り越えることで、野生の力を聖なる性のパワーとして平和に使える可能性を示唆しています。
ブラックムーンリリスは、最も自分が恐れている分野であり、同時に魅力的なカリスマ性を発揮できるテーマを示します。
この配置は、理念や志を同じくするコミュニティや団体(NPOなど)・ネットワーク(11ハウス)における利害調整や人と人をつなぐ役割、調和させる役割(天秤座)を通じて、最も深い恐れを感じると同時に、自分自身の魅力やカリスマ性を発揮できるでしょう。
また、ブラックムーンリリスのそばにに木星と土星がありますので、一定のルールに沿った(土星)拡大や発展(木星)をこうした場で発揮することでのカリスマ性でもあります。11ハウスは、友情だけではなく幸運や名声の在り処でもあるので、こうした評判を得ることにまた、木星土星の合はグレートコンジャンクションと呼ばれており、教師的な役割を担うことも多いでしょう。※木星・土星自身の度数にも教師や研究者の意味があります。
ブラックムーンリリスのサビアンシンボルは、天秤座14度、「正午の昼寝」。強い集中力を発揮した後に、それを解き放って休んでいる状態です。休むことでエネルギーチャージしている状態。また、こうした休息や眠りを通じてインスピレーションを得たりすることもこの度数の象徴です。潜在意識の上手な活用などもこの度数の象徴でしょう。その意味では、瞑想を生活に取り入れることもとても有意義です。
ブラックムーンリリスがここにあるということは、コミュニティや団体、ネットワークの中で、一種の潜在意識のメンテナンス・調整役として働ける才能があり、また、それを通じて自身の野生のパワーを最もよく昇華させられるでしょう。また、11ハウスは先進的な考え方も示します。天秤座であるということは、複数のそうした新しい思想や考えをバランスよく比較できるということ。その意味でいうと、この人は、様々な先進的なアイデアや意見に触れ、何かに肩入れすることなくそれらを整理して調和させることができ、その際に自身の無意識や潜在意識のパワーを活用することができるとも取れます。
ちなみに私は瞑想も実践しているのですが、この瞑想をはじめてから、無意識というか「空」の理解が深まって、すごくいろいろな恩恵を受けているなと感じています。
なお、トゥルーブラックムーンリリス=月の遠地点ですが、月の遠地点に関してバイオダイナミック農法では非常に興味深い研究結果が出ています。それが、月の遠地点を月が通過するときに花の香りが強まる(花が活性化する)というものです。これは、ブラックムーンリリスが聖なる性の力と関係していることを示しているのではないでしょうか。
まとめ:3つのリリスの解釈の仕方を復習!
さて、色々書きましたが、3つのリリスの解釈の仕方・読み方は以下のようになります。
- 小惑星リリスの位置やアスペクトを解釈:私の原初の野生の力が眠っているポイントは?
- ダークムーンリリスの位置やアスペクトを解釈:人間の最もダークな(性的)欲望やそれにまつわるトラウマの在り処は?
- ブラックムーンリリス(トゥルー)の位置やアスペクトを解釈:私がおそれと魅力を感じるテーマやカリスマ性を発揮できるポイントは?
3つのリリスの詳しい解釈や歴史的背景・逸話、リリスをホロスコープで計算する方法などは以下の記事にまとめています。