天王星牡牛座時代~新しいエネルギーにふさわしい価値ある容れ物は何か?を問われるとき
2018年5月16日の天王星牡牛座入りにあたって、天王星牡牛座時代の考察を続けていきます。この記事では、天王星が牡牛座に入るとどういう意味があるのかを、天王星と牡牛座のアーキタイプから詳しく考えて見ます。
この記事の目次
天王星が牡牛座に入ります私自身の読み方としては、天体のアーキタイプとサイン(星座)のアーキタイプを重ねて解釈していきます。ですので、まずは天王星のアーキタイプから。
アーキタイプというのは、日本語だと元型とも言われます。
たとえば、占星術で天体やサインが象徴するキーワードはいろいろありますが、
個別具体的なキーワードのすべての根幹にあるもの、それがアーキタイプです。
天王星とは、土星的な枠組みを壊して一切のしがらみを受けない真の自己へ至ろうとする欲求
天王星のコアなアーキタイプは、ジェフリー・グリーンによると、
- 既知のものから解放され、一切の制限や条件や前提のしがらみを受けない真の自己へ至ろうとする欲求
です。
トランジットやプログレスなどで天王星の影響を受けると、
既に慣れ親しんだもの、当たり前になっているものから解放されて、
未知のものを求めて変化成長しようとする衝動が湧き上がってきます。
あるいは、自分で自覚できない場合は、外側から、
安定していたもの・拠り所にしていたもの・積み上げてきたものが
ガラガラと崩壊したり、壊れてしまう
という出来事として起きてきます。
※天王星とタロットカードの「塔」は関係性があります。
しかし、その衝動や出来事の背景には、
一切の条件・前提・制限のしがらみを受けない真の自己へ到達したい
という魂の深い深い欲求があります。
ちなみに、ここで「既に慣れ親しんだもの、当たり前になっているもの」や、
「条件・前提・制限」は、土星が象徴するものです。
ユング派の心理学に自己実現という言葉がありますが、
この言葉は、天王星とほぼイコールです。
ユング的な自己実現は、これも上記の変化成長の衝動・真の自己へ到達したいという欲求と
ほぼ同じことを言っていると思います。
ですので、天王星の影響を受けると、具体的な出来事として、
引っ越し、離婚、転職、離職、事故などが起きることがあります。
いわば、「分離・離脱・手放し」的な出来事です。
ですが、これらの出来事の背後には、
土星的な枠組みを壊して前に進みたいという天王星的な魂の深い欲求があるのであり、
決して不幸が降り掛かってくるわけではないということ、これがポイントです。
天王星の起こす出来事や衝動は単なる破壊や気まぐれではなく、
それらの出来事を通じて緩んだ土星的な構造の裂け目の中に、
天からの(よって、真の自己の)エネルギーを流し入れようとしているのです。
牡牛座は、エネルギーを宿す容れ物としての物質に価値を見出し保存するサイン
では、牡牛座というサインにはどういう意味があるのでしょうか?
私が考える牡牛座のコアのアーキタイプは、
- エネルギー(魂、アイデア)を宿す容れ物としての物質に価値を見出し保存する
というものです。
牡牛座は、不動宮の土サインです。
不動宮は「継承・定着・完成」を司ります。
つまり、不動宮を理解するにあたっては、
必ず、その前の活動宮を理解しなければなりません。
牡牛座の一つ前の牡羊座は、活動宮の火のサイン。
宇宙空間からそのまま出てきたような活発な火(精神)のエネルギーによって
新しい物事を生み出していきます。
開拓者であり、パイオニア。
前に進むこと・進取の気鋭を大切するサインなので、
牡羊座が強く働くと、様々な思想やアイデア、ムーブメントが
雨後の竹の子のように生まれてきます。
※この牡羊座の質がネガティブに出てくると攻撃性や傍若無人さ、後先を考えない行動にもなります。
一方、牡牛座は、これらの生まれたアイデア(エネルギー)を
現実世界に固定させようとするサインです。
そういう意味で牡牛座は、五感や身体性のサインなのですが、
牡牛座にとっての五感・身体は、
あくまで牡羊座が灯した精神の炎を容れる
容れ物としての五感・身体である、
ということがキーポイントです。
牡羊座のマインドで生まれたアイデア・エネルギーを、
牡牛座はボディという容れ物に受け止め保存します。
ですので、牡牛座にとって物質が重要なのは、
それらの物質が、牡羊座ではじまった宇宙エネルギーを受け止めて
保存することができる容れ物だということを知っているからなのです。
そして、この質から、
牡牛座が象徴する、「価値」、
そして、「豊かさ」「富」というキーワードも派生してきます。
なぜなら、牡牛座は、どういうエネルギーに対して
どういう容れ物がマッチするのかをしっかりと見極め、
そこに「価値」を見出して保存しようとするからです。
こうやって牡牛座が「価値がある」とみなしたものが
「豊かさ」になり、「富」となります。
※なお、物質があくまでエネルギーの容れ物であるということを忘れ、物質そのものに固執すること、自閉性や物欲の虜、独占欲といった牡牛座のネガティブな側面が出てしまいます。
天王星が牡牛座に入るとどういう意味が出てくる? 具体的な出来事・事例
それでは、天王星が牡牛座に入るとどういう意味が出てくるでしょうか?
天王星が牡牛座に入ることで、
これまで(エネルギーを保持する)容れ物として価値があると認めてられてきた
あらゆる物質、そしてどの物質に価値があると判断する価値観、
そこから派生する豊かさや富に対し、
これまでの定義が壊されたり、当たり前の前提条件が崩されることが起きてきます。
牡羊座を通過して新しいアイデアやエネルギーに触れ開拓した天王星のエネルギーには、
それにふさわしい新しい容れ物が必要であり、そうした新しい容れ物に対して価値転換が起きてきます。
この価値転換の結果、富や豊かさが変化・転移します。
具体的には、
- 遺伝子工学の発達や種子法の改正・廃止などに伴う危機感から、オーガニックや農業革命、家庭菜園が広まる。
- 土地に関する法律が変化し、多くの人が土地を持つようになる(ただしいわゆる不動産所有という意味ではなく)。
- サバイバル意識や生存欲求の高まりから、これまで価値がないと思われてきた中山間部への移住が進む。
- 価値を運ぶ容れ物としてのお金の在り方が変化し、法定通貨以外にキャッシュレスや仮想通貨が当たり前になっていく。
- AIの発達やバーチャルリアリティによって五感の意味が書き換えられることで、五感や身体性への新しい理解や認識が深まる
こういった現象が起きてきそうだと感じています。