占星術コラム

月による天体の掩蔽、食(occultation)に関しての考察。月によって隠されることで私たちの心の中に呼び覚まされる高次の惑星意識

高橋ともえ

今年2021年は12月3日に火星食がありますね~!「食」と名付けられていますが、具体的に言うと、「月による火星の掩蔽(えんぺい)」のことです。

occultationという響きから、なんかちょっと不吉そうな?イメージがありますが、実は、天体の掩蔽、食(occultation)については、今年1月に出したKindle本の「欠乏しているエレメントの隠された意味」の調査の途中で、ある考察に導かれました。

この本の中で、「10.欠乏するエレメントが呪いから祝福に変わった時代的な背景」という章をつくり、シュタイナーの言葉を引用しました。

そこを引用しますね。

ルドルフ・シュタイナーは、ある天体が特定のゾディアックの星座に入るときというのは、そのゾディアックの星座のエネルギーがその天体によって遮られているので、地上の私たちがそのゾディアックの星座のエネルギーを遮っている天体の意味を無意識に補おうとするのだ、と述べました。

たとえば、牡羊座に水星がある人は、牡羊座のエネルギーが水星によって遮られているので、自分の中で意識的に水星を通じて牡羊座のエネルギーを表現せざるを得ず、結果としてその人の個性として牡羊座の水星らしさを発現するようになるということです。

ここには、古代のようにヘルメスという神が牡羊座のエネルギーを媒介するという発想はありません。そうではなく、人間自身が自らの内側に牡羊座のエネルギーを水星を通じて育んでいるのだという発想があります。

「欠乏しているエレメントの隠された意味」高橋ともえ著 10.欠乏するエレメントが呪いから祝福に変わった時代的な背景より

つまり、ある星座にある天体が入る=その星座のエネルギーがその天体によってブロックされている=人間はその星座のエネルギーを天体のテーマを通じて地上で演じる(後天的に補償する)ということです。(逆に、欠乏しているエレメントは、ゾディアックの領域からのエネルギーがストレートに現れる(もしくはあえて今回の人生ではやらない)という意味になり得るということです(先天的な才能もしくは条件))。

さらに、今ちょうど月蝕日蝕シーズンですが、シュタイナーの月蝕日蝕の言説についてはこちらのブログにまとめました。

月食と日食~シュタイナー(人智学)による秘教的・オカルト的理論・説明・定義について1年のうちおよそ2回、約半年(6ヶ月)の間隔で繰り返される月食と日食(月蝕と日蝕)は、通常の満月や新月とは違う特別なものだと考えられてい...

シュタイナーは一貫して、今の時代(そしてこれからの時代)は、人類が神々(星々)の一方的な庇護と支配からは抜けていくというスタンスに立っています。

※余談ですが、これを「人が星に語りかける時代」とシュタイナーは呼んでおりますね~

[つぶやき]星が人に語りかける時代から、人が星に語りかける時代へ実はシュタイナー自身は(当時使われていた)占星術に対しては否定的だったと言われているけど、文献を読んでみると、周りにいた数学者や天文学者...

シュタイナーの説を考慮してざくっと結論付けると、「日食は、無自覚に過ごしていると悪しき想念や悪しき衝動を宇宙空間へそのまま垂れ流しにしてしまう機会になってしまうので、日食の暗闇は、人間自身の意志の力を目覚めさせてキリスト意識を生み出すためのきっかけとして使うべきとき」なのです。

これを火星食に広げて考えると、こう言えると思います。

「火星食は、無自覚に過ごしていると火星に関する悪しき想念や悪しき衝動を宇宙空間へそのまま垂れ流しにしてしまう機会になってしまうので、火星食は、人間自身の意志の力を目覚めさせて高次の火星意識を生み出すためのきっかけとして使うべきとき」である。

・・・2021年12月3日の火星食では、火星は蠍座に入ります。

通常通りに過ごしていると、蠍座の火星ですので、性にまつわる猟奇的な事件とか、感情が煮詰まって相手にぶつけ殺傷沙汰になるとか、そういうことが起きてきそうです。しかし、もし地上の私たちが蠍座の火星をより高次の意識で使うと意図し、たとえば、どんな困難にも負けず情熱的に行動する意志の力を呼び覚ますとか、性エネルギーを昇華させて建設的な行動に結びつけるならば、またとないチャンスをもたらす時期です。つまり、蠍座の火星を文字通り「自分自身の力に変える」ことができるとも言えます。

今という時代の人間は、神々の庇護のもとで生きている発達段階は脱しています(少なくとも私の理解ではそのような世界観です)。
古代では凶と言われていた天体現象であっても、それを反転させて自ら吉を生み出す力も今の人類にはあるということです。

なお、2021年11月8日の金星食は、なんと山羊座の金星でしたが・・・私はその直後くらいに、父性の愛というものを深く理解するということがありました!(山羊座=父性、金星=愛。まんま(笑))

※その時の記事をここに書いているー

新しい時代の男性性について考える。「竜とそばかすの姫」のしのぶ君と待てる、見守れる、女性性の強さを引き出せる男性性これまで女性性の話ばーっかり書いてきましたが(笑)、ここで、新しい時代の男性性についても書いてみたいなと思います。 こういうのは、...

振り返りになりますが、2021年11月8日前後に、山羊座の金星というテーマで何か自分にとって象徴的なことはなかったか、考えてみるといいかもしれません。山羊座の金星なので、大人の愛、成熟した愛、社会の愛、先祖の愛、権力による愛、とかでもいいかも。

ところで、国立天文台のサイトに、これから2030年までの惑星食のリストがアップされていますので参考にしてみてください。

>>>惑星食

【追記】なお、occultation(掩蔽)は、今回は月による惑星の掩蔽に限って話しましたが、金星による木星の食とか、相互の掩蔽とかもあります。

イエスの誕生とヘロデ王の嬰児虐殺。紀元前6世紀の木星・土星の月による掩蔽~惑星食(月による惑星の掩蔽)の光と影いよいよアドベント期間となり、クリスマスムードが出てまいりました。クリスマスは洋の東西を問わずとても重要なイベントですが、そのイエスキリ...
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高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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