月の近地点あるいはプリアプスの研究~ナウシカの腐海と未来の地球=太陽に等しい地球の楽園
年運リーディングに思ったよりもお申込を頂いていてまだまだ繁忙期が続きますが、その傍ら、リリス講座の月の近地点の情報を発信しております。
※リリス講座はこちらからご案内しています。
月の近地点あるいはリリスの対になるポイントとしては、
- ホワイトムーンセレナ
- トゥルームーンアルタ
- プリアプス
というのが知られています。
※①と②については、ちょっとこちらに書きました。ロシアや東欧系の占星術師の間ではかなり頻繁に使われています。
なお、①と②のセレナとアルタは、厳密には月の近地点ではありません。
一方、③のプリアプスは、いわゆる月の近地点です。これは、月の遠地点のリリスに対してペアになる存在。
ただ、プリアプスも、計算方法が結構まちまちなんですよねー!!
私が使っている占星術ソフトJanusでは、リリスの180度反対側にプリアプスが出力されます。
しかし、私が今読んでいる、Dieter Kochさん(Astrdoeinstの中の人)の本によると月の遠地点・近地点の軸は正確な180度同士ではないので、その位置は微妙ですよね。
Dieter KochさんはAstrodienstの中の人でプログラマです。計算が難しい月の遠地点近地点のエフェメリスを作成して2000年に占星術カンファレンスの賞を取った人。この本をこれから読みつくして、リリス講座の皆さんにフィードバックだー。だけどその前に鑑定三昧w https://t.co/WhaA5niKyp
— PAXLUNA 高橋ともえ (@paxluna_tomoe) April 10, 2021
まだまだ、リリスはおろか月の近地点のプリアプスの研究は、正確なエフェメリスが定まるまでは紛糾しそうです(笑)
ちなみに、最近The Mountain Astrologerのバックナンバーを一通り調べてみたところ、リリスに関してはKochさんはじめ、私が普段から読んでいるドイツ語圏の占星術師の人の寄稿がかなりあったので、おそらくドイツ語圏におけるリリスとプリアプスの研究はかなり盛んなんでしょうね。
ドイツ語の占星術雑誌Meridianでも、リリスやプリアプスの論文はけっこう出ています。ディープなの多いよw
たとえば、犯罪の被害者・加害者同士のリリスとプリアプスのシナストリーとか・・・(*´Д`)
で。
プリアプスって、ローマの男神で、庭園に良く飾られることのある植物の豊穣の神です。ただ、あんまりサイトに張り付けたくない微妙な姿で描かれていますw インドのシヴァリンガムみたいなね・・・。
ちょっとましなパターンで言うとプリアプスはこれ。
ちょっと、牧神パンにも似ているのですよね。性エネルギーと自然界との繋がりという部分が。
なお、私自身は、月の遠地点と近地点の軸は、イシュタルと関連していると思っていますので、プリアプスとリリスがペアリングされていることはちょっと違和感があるのですよね。
ちなみに、ムーンガーデニングで言うと、月の近地点に月が合になるときは土のエレメントが強まり、土の中で菌類の働きが活発になり、植物に対する虫の攻撃性が強くなると言われています。
そして、この菌類の働きが活発になるがゆえに、月の近地点に月が合になるときに種まきするのは禁忌とされていますが、土のエレメントの野菜、たとえばジャガイモの場合は数は少ないけれど大きなジャガイモができると考えているバイオダイナミック農家もいるらしいです。
こうした様々な月の近地点の特質、土のエレメントの力が強まること、菌類の活動が活発になること、虫の攻撃性が高まる(植物を食べて分解しようとする)などを考えていくと、どうもこれは植物を育成するための期間というよりは、土を作るための期間として最適なんじゃないかと感じます。
月の近地点に月が合になるときは、植物が分解されて土に戻りやすくなるということです。つまり、月の近地点に月が合になるときというのは大地の内部の活動が盛んになるということなのですよね。
これは、秋と冬(立冬~立春まで)の地球の状態と似ています。秋は地上部を収穫し、残りは枯れて冬には土に戻る時期。
バイオダイナミック農法やムーンガーデニングの本では、冬は最も地球のコアにある黄金の領域の力が強まると言われており、それゆえ土やたい肥を作るのに最適だと言われています。
なお、地球のコアにある黄金の領域の話については、ながーい動画をこちらのYoutubeにアップしています。
冬に植物たちが感応するのは、遠い未来に太陽に等しい存在になる地球の黄金のエネルギーなのです。
様々なことを総合すると、月の近地点が刺激するのは、この遠い未来に太陽に等しい存在となる地球の核の黄金の領域なのではないかと思います。
だとしたら、月の近地点がプリアプスと呼ばれていることの意図は、アルカディア的な、ある種の牧歌的で楽園的な世界の遠い未来の記憶のことなのかもしれないと感じています。
いくつかシナストリーを見ていますが、割とこのプリアプス絡みの相性(自分のプリアプスに相手の天体が合になる)は、プリアプス側が天体側に対して一種の憧憬や好感を抱きやすいのかもと思います。
なお、この腐敗の向こう側に浄化された浄土があるっていうイメージは、ナウシカの腐海っぽいなあと思います。月の遠地点のリリスが、遠い昔に存在していた楽園の記憶を刺激するとしたら、月の近地点は、私たちがこれから作り出していく未来の楽園の思い出を想起させるものなのかもしれません。