占星術コラム

キロンが魚座へ・2018年~2019年の春分点とキロン~平和に現実世界で自己実現をするための調整のとき

高橋ともえ

2018年9月26日、逆行中のキロンが魚座へ戻りました。キロンは、逆行・順行を繰り返しながら2018年~2019年の間におよそ3回、春分点(牡羊座0度、魚座と牡羊座の境目)を通過します。この記事では、今年から来年にかけて魚座と牡羊座を行ったり来たりするキロンの動きと意味について書いていきます。

この記事の目次

2018年のキロン逆行スケジュール

2018年キロン逆行スケジュール

2018年~2019年にキロンが春分点(魚座と牡羊座の境目)を通過する日

キロンは、逆行順行を繰り返しながら、2018年~2019年にかけて3回春分点を通過します。

  1. 2018年4月17日
  2. 2018年9月26日(2018年9月23日にヘリオセントリックでキロンと地球との会合)
  3. 2019年2月18日

※9月23日のヘリオセントリックでのキロンと地球の会合時の分析はこちらの記事で行っています。

キロンが春分点(魚座と牡羊座の境目)を行ったり来たりする今年から来年にかけて起きてくること~平和に現実世界で自己実現をするための調整のとき

春分点は、毎年占星術ではおよそ3月21日の春分の時期にあたり、牡羊座に太陽が入る日のことです。この日から新しい1年が始まるとみなすとても重要なポイント。

つまり、春分点=物事の新しい始まり、サイクルの開始というエネルギーを持つ場所です。

もともと牡羊座0度を含めた活動宮の0度付近はアリーズポイント(牡羊ポイント、牡羊座ポイント、Aries Point)と呼び、出生図やトランジットで天体がここに滞在するととても大きな影響を与えると言われています。

なにより、社会性を表す大天体(木星以降の天体)が春分点を通過するときのインパクトはとても大きいものがあります。それは、直接春分点付近に個人天体がない人であっても、多かれ少なかれ影響を受ける、というような出方をします。

たとえば、2011年3月に天王星がおよそ84年ぶりに春分点を通過する直前に、3.11が起きています(3.11の日はまだ魚座29度に天王星が滞在)。その後、2011年11月~12月にかけて、再び牡羊座0度付近に滞在。

※個人的には、3.11が起きてから2011年11月末までに転職・移住を決意したので、この天王星の動きからはとても大きな影響を受けています。

さて、キロンの春分点通過をどのようにとらえるかということですが、キロンは小惑星であり、いわゆる占星術の10大天体とは違う位置づけにありますので、2011年の天王星の牡羊座入りのようなインパクトとは少し違う形でエネルギーを与えるのではないかと思っています。

そもそもキロンは、土星の軌道の内側から天王星の軌道を超えて、わずかに海王星の軌道にまで到達する変わった軌道を持っています。

キロン軌道

キロンの軌道から、キロンは、土星までの要素(現実社会)と天王星以遠の要素(霊的・宇宙的要素)の橋渡しをする虹の橋である、という解釈がなされています(Barbara Hand Clowの著書 “Chiron” 参照)。

神話的に見ても、キロンは土星(クロノス)と天王星(ウラヌス=プロメテウス)の両方に関連します。

ここでのポイントは、キロンは海王星の軌道にわずかに入り込む時期がある、ということ。つまり、天王星意識にとどまらないということです。

進化占星術的に言うと、キロンは、集合意識・無意識につながりながら(海王星)、現実社会(土星)で自己実現をする(天王星)というテーマを持っているように思います。

進化占星術土星天王星海王星

2011年に天王星が春分点を通過してから、社会のレベルでは新しいアイデアや事業が雨後の筍のように生まれました。原発という旧体制(土星)に対する批判から再生医可能エネルギー事業が爆発的に増えました。また、会社や組織(土星)に縛られず、自分らしい生き方をしよう、自分の好きなことをしよう、というビジネスや起業家も増えました。

2011年~2015年くらいまでは、牡羊座の天王星が山羊座の冥王星と鋭いスクエアにあったので、葛藤も変化も大きい時期が続いていたと思います。

しかし、2018年に入り、天王星が牡牛座に移動し、山羊座の冥王星とトラインの角度を取り始めたことや、土星が山羊座に入ったことで、現実社会や既に存在しているものに対しての再評価や再考、あるいは調和的な連携が進んでいる用に思います。

たとえば、廃炉に関する具体的な計画なくして(土星)原発廃止はできない、ということが分かってきて、新しい電力を作るよりは省エネのシステムを作るという方向性に方向性が変わってきて、その結果、新エネルギー(天王星)産業そのものが変化してきています。

また、これまでは個人を縛るものとして弊害が指摘されていた組織や会社のあり方(土星)が変化したことで、組織や会社に属す恩恵を受け取りながら、テレワークやリモートワーク、複業などの自由な働き方・生き方をする人(天王星)が増えてきているように思います。

ある意味では土星と天王星の折衷・妥協みたいな感じですが、この動きには、海王星意識から土星と天王星をつなぐ(とりなす)キロンの果たしている役割もとても大きいと考えています。

2018年4月ごろから、春分点付近をキロン順行・逆行をはさんで、合計3回も刺激することで、現実、既存の構造、既に成し遂げてきたもの(土星)と理想、自己実現、新しい生き方・アイデア(天王星)が、慈悲や共感(海王星)のレベルからどんどん融合していくのではないかと思います。

キロンが春分点を3回も刺激するこの時期は、旧体制と新体制が痛み分けしつつ歩み寄っていく、現実と理想が調整しあって進んでいく、ということが起きそうです。

もしかすると、ここ最近、2011年から良かれと思っていたこと、こうでなければならないと思っていたことが、現実的には挫折せざるを得なくなったかもしれません。しかしそれは、全体的な流れや自分を超える集合意識の視点から見れば、より調和的な方向変換だと思うとよいでしょう。キロンが春分点付近を移動するこの時期は、平和に現実世界で自己実現をするための調整のときがきているのではないでしょうか。

次回以降の記事で、キロンが春分点を通過する3回のタイミングそれぞれのチャート分析などをしていきますね。

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ABOUT ME
高橋ともえ
高橋ともえ
星読み風水師
1981年生まれ。 魂の可能性を緻密に描き出すドイツ系西洋占星術と陰陽五行説に基づく日本の卍易風水を組み合わせて「魂の高揚感を地に足をつけて楽に生きる」お手伝いを講座やセッションを通して提供しています。 訳書に、『ヒーリングエンジェルシンボル』(ヴィジョナリーカンパニー)、『四気質の治療学』(フレグランスジャーナル)がある。詳しいプロフィールはこちらから。
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